9/19、山井綱雄之會普及公演~下掛かりの心意気~、
満席の皆様にお越し頂き、誠に、誠に、ありがとうございました!
そして、ご賛同下さった、豊嶋晃嗣さん、佐々木多門さん、そして、能楽師皆様、ありがとうございました!!
感無量です。言葉がありません。
昨年の怪我もそうですが、全てが順風満帆ではなく、今でも、公にならないことで大変なことは沢山あります。
しかし、19日のように、あのように、お客様から大きな声を頂けますと、本当に、苦労してやってきて良かった!と心から思える瞬間です。
お越し頂きました皆様、ありがとうございました!!!
色々な発見がありました。色々な刺激がありました。
能ってスゴい!同世代能楽師ってスゴい!
まだまだ、頑張って精進せねば!そう心底思いました。
和気藹々と、緊張感を持って、かつ、お互いをリスペクトし、意地を張り合う。
そして、同じ、近いルーツを持つ『下掛かり』のシンパシー。
『下掛かりの心意気』、存分に感じて頂けたのではないかと思います。
そして、多くの反響の声!
能は初めて見たけど、楽しかった!という嬉しい声も頂きました。
多くの第二弾開催の声を頂きましたので、またいつか、考えたいと思います。
そして、能楽研究の第一人者、羽田昶先生(武蔵野大学客員教授)より、当日の感想を頂きました。
羽田先生のご許可を頂き、ここにご披露させて頂きます。
羽田先生、ありがとうございます。
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山井 綱雄 様
本日はお招きいただき、まことにありがとうございました。
予想通り、というか、予想以上に、面白く興味深く、有意義な会だったと思います。
まず初めの舞囃子、お三人とも気合が入って、快い緊張感が漂いました。
船弁慶は改めて興味深く拝見しましたが、異流競演仕舞の三番は、特筆大書したい面白さでした。融と笹ノ段は異流の地謡とシテ謡が渡り合うのにうってつけの選曲でしたし、放下僧の大合唱も愉快でした。もちろん、どの曲も型の異同、交錯が興味津々でした。最後に地謡の人たちも出場してのご挨拶も、なかなか良い雰囲気でした。
一言、御礼まで申し述べました。
羽田 昶
そして、当日の私のご挨拶文も、ここに掲載致します。
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一年前の今頃、私は病院のベッドの上でした。
その時点では、完治するかも判らない足を擦りながら、もし治ったら生まれ変わったつもりでやろうと心に決めました。それが、今日のこの企画です。
能楽には、五つの流派があります。しかし同じシテ方というパートの異なる流儀では、同じ舞台に立つことは業界のタブーです。しかし、それぞれの流儀のアイデンティティは尊重しながら、一緒の舞台をやれないだろうか?そんな私の能楽師としての素朴な想いでした。
他流派同世代にも、素晴らしい能楽師がいます。そんな方々と純粋に舞台でしのぎを削りたい。切磋琢磨したい。
能楽五流の内、金春流・金剛流・喜多流は近いルーツを持ち、現在は比較的小さな所帯です。その二流から普段から親しくさせて頂いている同じ年生まれのの金剛流・豊嶋晃嗣さん、ひとつ年上の喜多流・佐々木多門さんが賛同して下さいました。心より御礼申し上げます。
この歴史的な『下掛リの心意気』に立ち合って下さいました皆様、心より御礼申し上げます。
足も完治しました。
今日の催しがきっかけになって、新しいうねりが起こせたら嬉しいです。
山井綱雄
