本日、テレビ朝日 「題名のない音楽会」に出演させて頂きました。

収録は7月中頃でしたので、2ヶ月以上経っていて(笑)、私も放送を観て色々思い出しました。
(なので当然骨折前での収録ですので、ピンピン舞っていたわけです)


5代目司会者 五嶋 龍さんの、記念すべき最初の放送!!
物凄い共演者の中で、選ばれただけでも、大変に光栄なことでした。

色々、裏話、御披露申し上げます(笑)。

五嶋龍さんの誕生日が収録日の辺りだったので、出演者 スタッフ皆さんで本番前にサプライズで大きなケーキが登場してお祝いし、私もそのケーキ頂きました(笑)!

五嶋さんが小さい頃から親交のある黒柳徹子さんが、女性アナウンサーに五嶋さんの分厚い胸板を触るようにしきりに勧めて、恐縮して触ったり(笑)(これは放送ではカットされてました(笑))。

私の社中で五嶋さんの熱烈大ファンがいて、私から五嶋さんに楽屋の廊下でサインをお願いして、五嶋さんはいいですよ!と爽やかに応じて下さり、ミーハーにもサインをゲットしたり(笑)。

黒柳徹子さんが楽屋入りされたとき、うちの次男が楽屋の廊下をウロウロしていて、目におとまりになられたようで、ジ~~っと次男を見つめて下さったりとか(笑)。

どうでもいい裏話はこの辺にして(笑)、真面目な裏話を。


私は、バッハの「シャコンヌ」で、五嶋龍さん、藤原道山さん、上妻宏光さんが真剣勝負の音の海で、舞う、という企画でした。

たった数分の出番でしたが、「題名のない音楽会」プロデューサー鬼久保さんと、二人だけでテレビ朝日の会議室で数時間、コンセプトなど、ミーティングさせて頂きました。
リハーサル、本番もそうでしたが、「題名のない音楽会」という番組は、大変な手間隙をかけて作られているのだ、ということを、視聴者皆さんにも知って頂きたいですね!
さすが、長寿名門番組です。

なので、私は、いつもコラボやるときにお話していますが、音に合わせて適当にフラフラアドリブで舞う、のではなく、きっちり考えて舞いました。


「シャコンヌ」とは、3拍子の舞曲のことなんですね。
このバッハのシャコンヌを聞いて、私は、何とも言えない刹那さ、哀愁、を感じました。
バッハは、自分の妻が亡くなった時に書いた、という説があるそうで、それも含めて、能「野宮」の六条御息所をイメージしました。
能面、装束は、その能「野宮」の時の伝統的なスタイルです。

能「野宮」の六条御息所は、光源氏への恋心を忘れられない、切なく哀しい大人の想いを描いています。
その、世界観をモチーフとしました。
(型は、曲に合わせたので、必ずしも能「野宮」の型をはめ込んだ訳ではありません。)

途中で、転調して明るくなるところがあるのですが、そこは、昔の楽しかった時を思い出して、、、という感じに。

後半、激しくなってくる辺りは、やるせない激情を、、、

基本的には、最初と終わりは、切なく、刹那なく、セツナク、、、と。

そんな、世界観で表現しました。

シャコンヌの曲の世界観を表現しつつ、かつ、能の世界観に引っ張りこむように、あえて場違いな空気も作りつつ、お願いします、とのプロデューサーからの要望を、出来る限り、表現しました。


ステージ上は、ハンパじゃない緊張感でした!!

五嶋龍さんは、技術的な素晴らしさは勿論のこと、パワー系アーティストですね!
お会いするまでのイメージとは違っていました。とにかく、パワフルでした。

そこに、藤原道山さん、上妻宏光さんが加わったのですから、凄まじい渦で(こんな言い方はあれですが、いい意味で、最後の辺りは、カオスでした!)


テレビなので全てを写して頂くことは出来ませんでしたが、私としては、自分の力を出し切りました。


バッハの「シャコンヌ」は、また何かの機会に、ライヴでご披露したいな~と思います!!
(観世流の梅若紀彰さんから、エールを頂きました!紀彰さんも、そして梅若玄祥先生も、シャコンヌで舞われたことがあるそうです!)


出演させて頂いた「題名のない音楽会」の回のテーマが、バッハでしたが、他の曲も聞かせて頂きながら、バッハから連なる西洋音楽も、伝統と革新とか、原点回帰とか、能楽の現状と同じ側面もあるのだなと思いました。


また、番組中のテロップが、クラシックを知らない私にも、説明として分かりやすく、こういうことが能でも出来たらなぁと思ったりしました。


10年前に出演させて頂いたときは、何が何だか分からずにとにかく夢中でした。

その時に初めて出会ったのが、上妻宏光さんでした!

あれから、10年。

素晴らしい番組に、素晴らしいメンバーのなかで、出演させて頂き、楽しかったし、嬉しかったです。


また、色々なことが学べました。


今回の経験を、また活かしていきたいです。

五嶋さんはじめ出演者皆様、スタッフの皆様、観客、視聴者の皆様、ありがとうございました!
m(__)m