昨日は今年最後の能楽堂での公演、「国立能楽堂定例公演」でした。
観客は満員!
能「鉢木」でした。
「鉢木」は、身を隠して旅をしている執権・北条時頼が、大雪で泊めてもらった元侍・佐野常世との人情話です。
旅の僧(実は時頼)をもてなすため、秘蔵していた鉢木を焚き火にくべてしまう常世。
そして、鎌倉に一大事あれば、ちぎれた鎧を、錆びた長刀を持ち、痩せた馬に乗って、一番に鎌倉に馳せ参じる覚悟があると、目の前の僧が幕府最高権力者と知らずに、常世は息巻きます。
後日。
北条時頼は、全国の武士達に鎌倉へ集まるようお触れを出します。
そして、佐野常世は、痩せた馬で有言実行、一番に鎌倉へ駆け付けました。
時頼から直々に呼び出された常世。
御前で、北条時頼の顔を見てビックリ!
時頼は、あの時の常世の言葉の真偽を確かめるため、全国へお触れを出したのでした。
そして、時頼の最も心を打ったことは、秘蔵していた鉢木を焚き火にくべてもてなしてくれた、常世の心ざしでした。
時頼は褒美に広大な領地を与え、佐野常世は一国の主となりました。
まるで、「暴れん坊将軍」か「水戸黄門」みたいな話ですね(笑)。
思わず、ホロッときてしまうお話です。
写真は、帰りに通りかかった、原宿ラフォーレ前のクリスマスツリーです。
表参道のイルミネーションも、見事でした!
すっかりクリスマス、というか、年末を感じる今日この頃です。
(1年が早い!)