ナショナル ジオグラフィック日本版サイトからの記事だ。
古新聞や古着をはじめ、たいした価値がないのに物を捨てられず、生活に支障が出るほどためこんでしまう。そんな「ためこみ症」の治療に、片付けの爽快感や恩恵を仮想現実(VR)の世界で体験することが効果的という研究結果が発表された。「シミュレーションによって、ためこみ症の患者が大切にしている物を手放す練習をさせるという研究は、これが初めてです」とのこと。
ほとんどの人は、捨てられない大切な物を少しは持っている。しかし、精神疾患の一つであるためこみ症では、火災やカビ、ネズミ、怪我などの危険にさらされようとも、捨てることができない。ためこみ症の患者は、米国では約40人に1人いるとされ、決して珍しい病気ではない。

研究は、VRを取り入れた治療が、ためこみ症患者の片付けを助けられることをはっきりと示している。実験の参加者はヘッドセットとハンドコントローラーを使って、VRの自宅で所有物を捨てる練習をした後、現実世界で実際に物を捨てることに挑戦する。

「ためこみ症の本質が物に対する執着と手放すことの難しさにあることはわかっています。ですからこの研究では、手放す練習を治療法に組み込みました」と、ロドリゲズ氏は言う。
実験は、16週間にわたって行われた。全員がためこみ症と診断された参加者が、まず自宅内部と所有物の写真を撮ってアップロードし、3Dシミュレーションを作成する。そうやって自分の持ち物を把握し、捨てる前に価値を判断する。その後、持ち物を整理し、愛着のある物を捨てる練習をする。
「参加者の78%が、VRのおかげで現実世界で捨てられる物が増えたと報告しています」

なかなか面白い研究と実験だ。VRの新しい応用だと思う。実は私も結構「ためこみ症」の気があるので、できるならやってみたい(^^)。