夫婦と言えど赤の他人で、育って来た環境も違えば、価値観や考え方も違う。
価値観や考え方がお互い似ていればぶつかる事も無いのかもしれないけれど、お互いに違うのであれば妥協点を見付け、歩み寄って行く事も必要で。
けれど、片方だけが歩み寄っても何の意味も無いと私は思っていて。
夫とは、どんなに話し合いをしても、ここが上手く行かなかった。
夫は自分の事はあまり話さない。
だからなのか、話し合いも、夫の方から持ち掛けられた事は今まで一度も無かった。
全部私の方から「話したい事がある」と、話し合いを持ち掛けてた。
今まで何度も話し合いをした中で分かったのは、夫には私の話が通じないという事。
口では「分かった」と言うけれど、結局は同じ事の繰り返しで、結果的には何も分かっていない。
私の話し方が悪いのか、伝え方がよくないのか、分かりやすく伝えるにはどうすれば良いかを考え、次の機会にまた話をしてみる。
でも、結局は変わらない、繰り返し。
試しに、周りの人に話して聞いてみた。
「私の言ってる事分かる?伝わる?」と。
周りは口を揃えて「うん、分かるよ」と言った。
伝わらないのは、夫にだけだった。
この〝言いたい事が上手く伝わらない〟というのは、凄く苦しかった。
時には、私の言う事に上から物を被せて来たり、私の言った事をひねくれた受け取り方をされたり。
「違う、そうじゃない。そういう事が言いたいんじゃないよ」と言うも、じゃあどういう事?と聞かれると、上手い伝え方が見つからなくて、いつもそこで言葉が詰まった。
そして、そのまま話しは終わる。
いつも、これの繰り返しでした。
でも本人からも周りからも「言わなければ何も伝わらないし、何も分からないよ」と言われた。
確かにそうだ。人の心が読める訳じゃないし。
だけど私的には「言っても伝わらないのに、話して意味あるの?」と。
周りは「例え分からなくても、言いたい事は言った方が良い」と言う。
うん、確かに。それは分かる。
でも私からすると「この先何十年と夫婦やって行くのに、伝わらない相手とこの先もずっと一緒に居るの?そんなの辛過ぎる」でした。
〝こういう人なんだ〟と、諦めて割り切れたら、此処まで苦しまなかったかもしれない。
でも私の中では、諦める=離婚でした。
諦めたら、夫婦で居る意味が無いと思ったから。
結婚したからには、夫婦で有り続けたい。
一緒に子育てをして、辛い事があったら一緒に乗り越えて行きたい。
私には、そんな思いがあった。
だから、諦めたくはなかった。