仕事にも、少し慣れた頃、「症状固定」を迎える。
この「症状固定」という言葉は、知らなかったのだ。
と同時に、大きな意味を持つことも全く分らなかった。
主治医からは、事故後、症状が上下動したのだが、これで、症状が固定されるらしいのだ。
つまるところ、これ以上、悪くもならないし、良くもならない。
症状が固定されるということ。
このときは、自分の症状が分らなかった。
というより、事故前よりも、少し記憶が残りにくいのかな?
そんな風に考えていた。
ここから、辛い日々が始まることは、全く予想もできなかったのだ。
今、振り返ると、入院していた頃は、本当に気楽だった。
退院すれば、すべて元通り。
何も疑わなかったし、自分のことは、事故の前と変わらなかったのだ。
このときまでは・・・。