昔、一緒に働いたYさんというおじさん役員がいた。普段はニコニコして物腰の柔らかい感じなのだけど、たまに真剣な顔になってピシッと言うときがある人だった。
当時まだ自分も20代で血気盛んだったし、ろくに仕事の知識もないのに自分の主張をガンガンぶつける感じだった。
Yさんにも言いたいことをどんどんぶつけていた。僕がまだヒラの若造にも関わらず、Yさんはいつも「うん、うん。」「そう、そう、そう。」とニコニコ頷きながら耳を傾けてくれた。どんなに弾を撃ち込んでも、柔らかい大きなゲル状の布団みたいに受け止めてくれた。
一通り僕の話を聴き終わると、「それ、ほんとにそうか?」とか、「それ他の人にも話してみたか?」とか、「俺はこう思うけどなぁ。」とかぽつりと言う。
いったん自分の話を聴いてもらえたせいか、その最後の一言はすっと自分の中にいつも入った。染み込んだというのがいいかも。
いまになって思うと、あれはYes,But法だったんだな、と気づいた。
しかも、あからさまに後半にButをもってくるのではなく、やんわりとコーチング的なニュアンスも含みつつの提案。
まずは意識的に使ってみたい。