スピーカーユニットの音を音楽に変える、ということ。 | くるまの達人

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とか、タイトルで謳いながら、実はただの日記だったりするけど、いいですか?

備忘録ばかりだと、思い出に浸る懐か
しい人になってしまいそうなので、こ
んな話題を。



これは、スピーカーシステムに使用す
る電子回路の仕様を決めるために使用
したテスト用の配線です。もう用済み
のものばかりなので捨ててしまっても
構わないようなものばかりですが、な
んとなく袋に放り込んで残してありま
す。

だからガレージが片付かない……。

そんなことはともかく、スピーカーシ
ステムでは、ツィーター付きのモデル
にクロスオーバーネットワーク用のハ
ーネスを設定することはもちろん、フ
ルレンジユニットだけで鳴らすモデル
にも、それぞれのモデルごとに専用の
回路を組み込んでいます。


回路といっても、コンデンサーと抵抗
器を組み合わせただけの簡単なもので
すが、それぞれのモデルに合わせた鳴
り方を目指して、一聴しただけでは分
からないんじゃないの? というとこ
ろまで、徹底的にこだわって仕様を決
めています。

実際のところ、めちゃくちゃたいへん
です。音響測定機器など持ち合わせて
いませんし、気持ちよいという感覚の
判断は人間にしかできないという想い
もあるので、仕様を決定するのはすべ
て自分の耳頼りになります。

具合の悪いことに、耳の聞こえ方はそ
の日ごとに違いますので、回路に限ら
ず音質に係わる判断が必要な作業は、
耳の調子がよいときにしかできません。

そして、気持ちです。

よし、これでいこう! という設定が
決まったときは、わたし自身が心底感
動を覚えたときだけです。生身の人間
ですから、嫌なことがあったり疲れす
ぎていると気持ちも凹むじゃないです
か。そういうときには、この作業はで
きないんです。

抵抗器のコンマ1桁の値違いのどちら
を選ぶかが、何日も決められないこと
なんて茶飯事です。

テスト用に用意している抵抗器です。
この中から、ベストな1つの組み合
わせを選ぶわけです。



初めて会ったわたしが助手席にいるに
も係わらず、試聴しながら思わず涙を
浮かべる状況って、普通じゃないと思
うんです。想定の範囲ではダメです。
想像もしなかったことが起こったとき
に、人は激しく心を揺すぶられるもの
だと思います。

スピーカーが鳴らす音を、音楽に変え
ることって、そこを目指すことだと思
うんですよね。


右側の黒いユニット仕様はND用Ver.1。
試作段階からずっと開発車で2年以上
の酷使に耐えてよく唱ってくれました。
試聴会で皆さんに聴いていただいたの
も、このユニットの音楽です。左側は
ND用Ver.2の試作機です。



現在製作しているモデルの回路は、将
来DSP機材等を使ってオーナー自身
が好みの設定を探ってみたくなったと
きに簡単に取り外せるよう、スピーカ
ー線の間に割り込ませる外付け仕様に
していますが、NA/NDロードスタ
ーのメインスピーカー用の回路は、外
付けハーネス仕様からユニットへ直接
半田付けする仕様に変更しました。こ
れは雨水等による水濡れの心配を考慮
したものです。これまでの外付け仕様
でも、多少の水濡れで問題が発生する
ようなことはありませんが、水没する
ような状況は避けるように配線を取り
回してください。そして、ユニット直
付け回路仕様では、配線に白い印を付
けて、そこをカットすれば簡単に回路
がキャンセルできるように製作してい
ます。





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山口宗久(YAMAGUCHI-MUNEHISA.COM)
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