Nakamichi でハイレゾを聴く。 | くるまの達人

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とか、タイトルで謳いながら、実はただの日記だったりするけど、いいですか?


テーマ:
なんと美しい眺めでしょう。



先日、【新設定スピーカーシステム】
のキット化に備えたデータ取り
(つま
り、わたしの勉強を兼ねています)に
ご提供いただいたS124のインパネ
です。

「ナカミチのTD700C」という型
番のこのカセットデッキは、オーナー
氏が学生の頃に食費を削って手に入れ
た、思い出いっぱいの一品だそうです。
今回【新設定スピーカーシステム】の
取り付けのために、押し入れに大切に
しまってあったのを引っぱり出してき
てくれたのだとか。

ネットで調べたところ、1985年に
発売されたTD−700の後継機とし
て、1993年に17万6000円で
発売されています。パワーアンプレス
のラジオチューナー&カセットデッキ
という構成で、カセットテープ世代に
しかわからない“アジマス”という調
整ダイヤルが付いてます。車載器でア
ジマス調整付きなんて、ナカミチって
なんというメーカーなんだと驚いたこ
とをよく覚えています。

高品質を求めるなら日本製、日本製を
選んでおけば絶対にはずさない……と
いう常識をたった10年間くらいで築
いた"The Made in JAPAN" の象徴です。

今となっては、先人たちが築いたその
頃の常識は、半ば都市伝説のようにな
ってしまいましたが、ともかく、ドイ
ツではメルセデスが過去と未来をもっ
とも近づけたW124、W201など
の各モデルを作り、日本では未来をセ
ンスよく先取りする電化製品が作られ、
その2つを組み合わせた愛車を我がも
のとして駆ることは、わたしたちの世
代の男子が抱いた、青春の思い出その
ものに違いないんです。


30年間、温め続けてきた夢の光景が
目の前にあることと、そこから溢れ出
すAORがいままでクルマの中で聴い
たことのない質感であることに、愛車
を引き取りに来られたオーナー氏は、
いたく感動してくださいました。

とても、うれしかったです。

そのオーナー氏がガレージでの会話の
中で、とても素敵なヒントをください
ました。


「このナカミチは、ラジオとカセット
しか鳴らないんですよね」

……外部入力端子があるので、CDチ
ェンジャーがあればCDは聴けます。
もう一系統、別ラインを組めばiPhone
も音源として使えます……と、そこま
で返したところで、ふと閃きまして。

現在、キット化を進めている【新設定
スピーカーシステム】では、iPhoneな
どのデジタルガジェットからのデジタ
ル信号を、audison製アンプ内蔵DS
P(デジタル・シグナル・プロセッサ
ー)に取り込むために、オーディオテ
クニカ製のAT−HRD1というコン
バーターを介して接続しています。

このAT−HRD1は、iPhoneからU
SB入力されるデジタル信号を、今回
のシステムで使用しているaudison製
のDSPが読み込める形式の光デジタ
ル信号に変換するDDC(デジタルto
デジタル コンバーター)と、同じく
入力されるデジタル信号をアナログ信
号に変換するDAC(デジタルtoアナ
ログ コンバーター)の2回路が内蔵
されています。

そろそろなんのことやらワケがわから
ん、という方もいらっしゃると思うの
で、音声信号の接続関係を主にした簡
単な構成図を用意しました。



これから解説する内容での音源は、す
べてiPhoneなどのデジタルガジェット
です。つまりCDクオリティはもちろ
ん、ガジェットにアプリを導入すれば
ハイレゾも音源として使えます。

2つの信号の流れを説明します。


【ピュア デジタル サウンド】
まず、1→2→5 という流れです。

1)デジタルガジェット内の音楽信号
は、デジタルのままAT−HRD1に
送られます。AT−HRD1は、現在
一般的に普及しているハイレゾとして
最高音質の192kHz/24bitの音源にも
対応しています。

2)AT−HRD1のDDC機能によ
って光デジタル信号に変換された音楽
情報は、音質劣化がほぼ皆無なままau
dison製DSPに送り込まれ、デジタ
ル信号のままわたしが書き込んだサウ
ンドセッティングデータに従った音に
変換され、内蔵パワーアンプでスピー
カー駆動に必要なパワーを与えられた
アナログ信号として出力されます。

5)パワーアンプで増幅されたスピー
カー出力信号が、スピーカーシステム
を鳴らします。



【お気に入りヘッドユニットの
  プリアンプを通したサウンド】
これが、今回閃いたサイコーなお勧め
アイデアです。
信号の流れは、1→3→4→5 です。


1)これは、【ピュア・デジタル・サ
ウンド】と同じです。つまり、CDは
もちろん、192kHz/24bitハイレゾも
再生できます。

3)そしてこちらの流れでは、AT−
HRD1のDAC機能を使います。つ
まり、AUX外部入力端子があるヘッ
ドユニットが読み込めるアナログ信号
に変換して、お気に入りヘッドユニッ
トへと送り込むわけです。

これ、素晴らしい!
なんと素晴らしいことか!

なにがそんなに素晴らしいのかといえ
ば、ナカミチ、DENON、マッキン
トッシュ、アルパイン等々、あの頃憧
れた高級高性能ヘッドユニットが備え
ていたブランドごとの特徴ある音色は、
贅を尽くしたプリアンプが生み出して
いたと言っても過言ではないからです。
デジタル全盛の現在も、高級オーディ
オ機材がもっともコストを掛ける(コ
ストが掛かる)のは、アナログ部分の
回路だったりします。それほどまでに、
創り手の個性を表現する音響機材のア
ナログ回路なんです。

30年前、ナカミチを聴いて、嗚呼な
んて素敵な音なんだ! と感動したあ
の音を生み出していたヘッドユニット
のプリアンプに、なんとハイレゾ音源
を流し込んで鳴らしてやることができ
るわけです。

なんと素晴らしいことか! でしょ!

4)ヘッドユニットのプリアンプを通
った音声信号は、アナログ信号でDS
Pへ送り込まれます。DSPではヘッ
ドユニットからのアナログ信号をデジ
タル変換して、【ピュア デジタル サ
ウンド】同様にサウンドセッティング
データに従った音づくり、パワーアン
プによるスピーカー駆動のための増幅
を行います。

5)そして、スピーカーシステムへと
送られて、車内を音楽で満たします。

実は、オーナー氏のひと言がある前に、
その構想はあったのですが、AT−H
RD1のDDCとDACが同時に使え
るとは思っていなかったんです。わた
しの不勉強でした。

オーナー氏の前でさっそくテストをし
てみたところ、AT−HRD1のDD
CとDACは同時に働いてました。灰
皿にセットしたコントローラーで、こ
の2つの鳴らし方を簡単に切り替えら
れることも確認しました。




これが、今回お知らせしたかった【新
設定スピーカーシステム】で実現でき
る、新しい楽しみ方です。

オーナー氏のS124で聴くハイレゾ
音源のビリー・ジョエルやイーグルス。
【ピュア デジタル サウンド】の透明
感、ダイナミックレンジの圧倒的な広
さは新世代の音楽鑑賞を感じさせる驚
きのサウンドです。ハイハットのカッ
プを撫でるスティックのチップがウッ
ドなのかナイロンなのか、左手がダー
ンと打ち込む低音鍵と同時に微かにト
レモロしている高音鍵の抑揚がこれほ
ど丁寧に計算され尽くしたタッチだっ
たのか……みたいなことが、30年前
に擦り切れるほど聴いたはずのアルバ
ムに記録されていたのかと気づくよう
な、そんな興奮と感激があります。

コントローラーで【ナカミチヘッドユ
ニットのプリアンプを通したサウンド】
に切り替えると、嗚呼、あの頃憧れた
ナカミチの音がします。アナログオー
ディオの最高峰として君臨した、あの
ナカミチの音で、ハイレゾが鳴ります。
ダイナミックレンジとか粒立ちの繊細
さだけがオーディオの評価基準ではな
いことに、明確に気づくことができま
す。当時、カセットテープでは引き出
すことができなかったナカミチの音楽
を知る思いです。甘いです。やわらか
いです。やさしいです。そして何より
も、このオーディオと、このクルマに
憧れていた頃のことがじんじん甦りま
す。音ってそういう力があるんですね。


すごく長くなってしまいましたが、そ
れほどに素敵な経験ができました。お
陰さまで、提携ファクトリーで取り付
けができるようにするためのキット化
の勉強をさせていただきつつ、わたし
自身が取り付け&セットアップを行う
取り組みは、今年中に作業できる枠が
ほぼ埋まりつつあります。実際に実車
に触れながらでないと、このような閃
きや発見はできないものです。すでに
データ取りが終わっている仕様のクル
マもお引き受けしてよかったと思って
います。ご協力いただいた皆さんには、
本当に感謝しています。

さらにありがたいことに、もう枠は埋
まってしまいましたか? という問い
合わせが、まだまだ届いています。あ
りがたいことですが、腰を据えて書か
なければならない原稿もたっぷりあり、
いったん、10月いっぱいをお申し込
み受け付けの目処にしようと思ってい
ます。

本当に本当に長くなってしまいました
が、この興奮、ぜひ皆さんと共有した
く。ぜひロードスター用スピーカーシ
ステムでも取り組みたいと思います。

最後まで読んでいただいてありがとう
ございました。






山口宗久(YAMAGUCHI-MUNEHISA.COM)
webTV「モーター日本」
Twitter / nineover
facebook / Yamaguchi Munehisa

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