うつそみの人なる我や今こそは 二上山で弁当を喰らう | WANDERER☆Y

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二上山(雄岳517m・雌岳474m)(大阪府太子町・奈良県葛城市)2024年4月28日(日)

大阪人にとって郷土の山と言われれば歌に『オヤジ』とよばれる生駒山かもしれないが、河内の人間にとっては金剛山であろう。
しかし、私にとって郷土の山は二上山である。


友人や兄と登った山であり、自宅や学校の窓から常にあの独特の双耳峰が眺められた郷土の風景の一部であった。
それ以前に二上山は古代史の山とも言える。
河内と大和の境にあり、その山麓を日本最古の国道である竹ノ内街道が通る。
一説には飛鳥から見て西にある二上山はその方向に太陽が沈むことから浄土への門として見られていたのではないかという話もある。
そして何よりこの山の名を世知らしめているのが、この歌。

うつそみの人なる我や明日よりは 二上山を弟と我が見む

天武天皇の皇子であり、後に皇后の謀略により死に追いやられた大津皇子。
その死を姉の大田皇女が悼んで詠った挽歌で、万葉集にも収められている。

そんな山を今回目的地に選んだ。
ある目論見の為、今回は愛車兼移動秘密基地の出番は無しで近鉄南大阪線に飛び乗り登山口である二上山駅を目指す。
駅に着くとすでにバックパックを背にした若者の集団がいた。
遠慮なく追い抜かしてもらおうと先に歩き出す。
集落を抜け、道路の下をくぐり大きな池の脇にある獣除けのゲートをくぐる貯水タンクと池に挟まれた獣除けのゲートにたどり着く。
ここが登山口。
しばらくは平たんな森の中の道が続くがやがて本格的な山道に突入する。


それにしても暑い。
予報でも今日は夏日と言われていたがここまでとは・・・・・・。
扇子を持ってくればよかった。
胸突き八丁とまでは行かない物の結構な斜度の道を進み本日最初のピークである銀峰に九時前に到着。
ここで水分とカロリーを補給する。
道はなだらかに変じ調子よく歩けるようになると展望の効く広場にたどり着く。


西側が見事に開け、河内平野が一望のもとに出来る。
本来なら大阪湾も視界に入るだろうが今日は黄砂のお陰でほとんど見えない。
出会いの広場と名付けられたこの場所を辞し更に登ると二上山の最高地点である雄岳に到着する。
時間は九時半。
ここにもいい感じのベンチが点在し弁当を広げるには適当な場所だが、もう少し前進する事にする。
二上神社に詣でた後今度は雌岳を目指す。


立派なトイレが設置された馬の背と呼ばれる鞍部を通過すると延々と続く木段を上り雌岳に立つ。
予想通り山頂の広場は人だらけ、あちこちでレジャーシートを広げたりストーブでお湯を沸かしたりとオープンエアでのランチを満喫している。
さて、私もお弁当にしよう。
今回は私なりに気合を入れて弁当作りに精を出してみた。
朝早く起き牛肉の切り落としをタマネギと共にすき焼きのたれで炒め煮し、そいつをご飯の上に乗っけて作った『牛鍋弁当』


付け合わせは焼き豆腐と焼きネギ、そしてだし焼き卵(市販)。
『鬼滅の刃・無限列車編』で煉獄さんが食いまくっていたアレをイメージしたのだが、さて出来の方は?
車を使わなかった理由であるスーパードライの500ml缶を開缶し一口のんで喉を潤した後箸をつける。
美味い!美味い!本当に美味い!
もう少し味が濃い目でも良かったかもしれないがこれはアリだ。大成功と言っても良い。
文字度通り瞬く間に平らげる。
しかし、日帰り登山に弁当は正解だな。
今度は『精霊の守り人』に登場したあの『ノギ屋の鳥飯弁当』で行こうか?
弁当の後、腹ごなしと酔い覚ましに山頂を散策し、葛城山の姿や咲き乱れるつつじやヤマブキの花を写真に収め十時半ごろ下山開始。


馬の背に戻りしばらく来た道を歩いて進路を東へ。
『大丈夫か?』と思いたくなるほどの狭い道を下って展望の良い大岩『鳶塚』を通過し二上神社口の駅を目指す。


十二時前に駅に到着、間もなくやって来た準急に乗り込んで帰路に就く。
今日もいい加減暑かったが、これから益々暑くなるだろう。
低山はボチボチ辛いかな?