Restorante IL Principe(リストランテ・イル・プリンチペ) | やまげのおでかけ暴走紀行

Restorante IL Principe(リストランテ・イル・プリンチペ)

 

 

淀屋橋駅から東に向かって1本目の橋『栴檀木橋(せんだんきはし)』のふもとに『リストランテ・イル・プリンチペ』というイタリアンレストランがありまして、ここで今日はディナーを食べることにしました。

 

今まで難波で営業していましたが、このたび北浜へ移転してきたそうです。

それもやってきたのは、移転してから2日目という出来たてホヤホヤです。

予約時間に訪れるとスタッフの方が入り口前ですでに待って頂いていました。

 

それにしても看板だけ見てもえらい高級そうです・・・清算するとき、ケツの毛抜かれるんやないかとビビるわし汗

お店へと降りる階段がまるで死刑台を上っているような気分です(降りとるやん)。

 

 

 

時刻は開店直後の17時30分ということで、まだ誰も来ていません。

まぁ、それが分かっていて一番に来たんですが・・・しばらくすると数組がやってきて座席が埋まったので早めに来て正解でした。

予約しているとはいえ、こういう風に心おきなく店内を撮れませんからね。

 

店内は20席くらいのこじんまりとした感じですが、ケツの毛をむしり取られるような恐怖感を感じない適度な高級感です(ようわからん)。

 

この高そうな椅子ですが、座わり心地が良くてコース料理を食べている最中全く疲れませんでした。

人間工学に基づいて造られているんでしょう。

家に4脚ほど頂きたいところですが、高級過ぎて我が家には不釣り合いですな・・・汗

 

 

 

 

テーブルにはナイフやフォークが一式、そしてナプキンが置かれています。

このナプキンを頭に被って王様気取りになるのも良いのですが、膝の上にかけるのがベストです。

 

 

 

まずは乾杯です。

シャンパーニュ・ポル・ジェス・ブリュットというシャンパンで、こんなに色がシャンパンゴールドなのに使用しているのはピノ・ノアール50%にピノ・ムニエ45%、そしてシャルドネ5%と黒ブドウ主体で作られたものだそうです。

 

 

 

 

わしは普段、ワインはあまり口にしないのですが、こいつはフルーティーで飲みやすいですね。

癖もなく、さっぱりしていたので食前酒やというのに、おかわりしてしまいましたよ。

 

 

 

まずは前菜『秋のアンティパスティ・ピッコリ』。

杉の木を皿にして3種盛り付けられて出てきました。

 

うーむ、厚みがあってきれいな木ですな。ブリジストンのエコピアの森で間伐材を作った鍋敷きよりも立派です(なんのこっちゃ)。

 

 

 

真ん中に写っているのは店内でスライスしたパルマ産の生ハムです。

生ハムの中には刀根柿が入ってるそうです。生ハムといえばメロンというイメージがあるわしには正直、柿を使うというのは違和感を感じてしまいます。

でも、食べてみると癖のないトロリとした柿の甘さは絶品。そして生ハムの塩っ気が柿の甘さをさらに引き立たせてくれています。

わしは普段、生ハムは塩辛いのであまり好んで食べませんが、ここの生ハムは良い塩梅ですね。

 

「ねー、もう一つい~い?」

 

と洋菓子のグリンのCMで外人の子供が、おかんにおねだりしているように、わしもソムリエにもう一つおねだりしそうになりましたよ(古いなぁ~汗

 

 

そして雫の形をしたお洒落なガラスの入れ物に入った緑色の丸いものは浜名湖産の生海苔を使ったフリットで、中にタコが入ってます。

小さなものなので、ひとくちで口へ放り込みます。

パリパリっとした食感の後に磯の香りが口の中へ広がり、タコのシコシコした食感と甘味がたまりません。

 

 

 

『イタリア産山栗スープ』

 

イタリアの栗は日本の栗と違って甘味が少なく、お芋のような自然な味だそうです。

最近、コンビニのスィーツとかでイタリア栗のモンブランを売ってますが、確かに甘味よりも渋みのようなものが感じられるので、くどくなくペロリと食べられるのはそういう事なのか・・・スープの色を見ても日本のような黄色ではなくて茶色。

スープを飲んでみるとドロリとしたとろみがありますが、これは栗というよりも恐らくは裏ごししたジャガイモを使用しているのではないかと思います。

栗のツブツブ感もきっちり感じられておいしい!

 

 

 

シャンパンの後は『ミュスカデ・セーヴルエ・メーヌ2018 ドメーヌ・ドラ・フォリエット』という長ったらしい名前の白ワインです。

 

爽やかで呑みやすい。

ワイン初心者のわしでも違和感なく、すんなりと呑めます。

 

 

 

『旬魚のカルパッチョ・赤紫蘇の穂のピクルス・フィノッキオのインサラティーナ』

 

なんか聞き慣れない言葉が続きます・・・汗

 

ガラスのお皿で、ひび割れたようなデザインがまるで氷のようで涼しげです。

ラペティ・ロアラブッシュというお店で出されたお皿はチップしても補修できるものでしたが、このお皿もそうなんでしょうか?

 

 

 

少し赤みがかった白身はアコウ(キジハタ)という高級魚。

コリコリというよりも、モチモチとした食感で噛めば甘味のでる逸品。

この魚は初めて食べました、旨いね。

 

 

 

奥が自家製のフォカッチャ、手前がライ麦パンです。

フォカッチャは毎日厨房で焼き上げているそうですが、ライ麦パンはお店のレシピのもと、パン屋さんに委託しているそうです。

嫁はんは香ばしいライ麦パンがお気に入りでしたが、わしはフォカッチャの甘味が感じられるのが好きですね。

こいつにギリシャ産のオリーブオイルをかけて食べると更に風味が増して旨いです。

 

 

 

2杯めのワインはイタリア産の「ピエロパン」という白を頂きます。

適度な酸味で後味がさっぱり、元々白は魚料理に向いてますが、こいつはさらに相性が抜群です。

わしはあまりワインは呑まないのですが、赤より白の方が好きなんです。

 

 

 

なんかお次はにくい演出でやってきました。

蓋がしていて、お腹がすいたわしを勿体ぶらせてくれます(笑)

早よ、早よ、オープン・アンカバ~♪

 

 

 

どーーーん!!

 

『フォアグラとサン津軽リンゴの春巻き』です。

 

蓋を開けると、なんとも芳香な香りが漂います。

聞けば桜のチップで燻しているそうです。アウトドアのショップでよく色々な種類のチップが売られているのは知っていましたが、桜のチップはこんな香りがするんですね。わし好みの香りです。

 

パリパリっと香ばしい皮を噛み砕くと、中からドロッと濃厚なフォアグラとともにリンゴの酸味が口の中に広がります。

これだけリンゴの酸味と甘みがしっかりしているので、食事というよりもデザートを食べているような感じですね。

 

 

 

『TRIS DI 真鱈白子』

 

黒い石の皿に出されたものは真鱈の白子を贅沢に使用した三種盛り。

 

 

 

塩漬けされたキャビアを乗せていて、白子を少し茹でています。

白子とキャビアの間に薄いシート状のものが敷かれているのですが、これはなんでしょう・・・?

一口で頬張ると、塩漬けされた芳香なキャビアの香りが鼻腔に残ったかと思えば口の中で白子が一気に溶けて無くなってしまいました。

複雑な味わいで、表現がとても難しいですが旨いです。

 

 

 

ポルチーニ茸スフォルマティーノ。

スフォルマティーノはイタリアのスフレですから、ポルチーニ茸が入ったスフレですな。

そいつの上にチーズフォンデュをかけて、さらにその上にバフンウニを乗せてます。

 

濃厚、とにかく濃厚。

今回のコース料理で感動した料理の一つに、こいつが挙がりました。

 

 

 

 

生のマコモ茸の上に焦げ目をつけた白子、そしてその上には高級食材であるカラスミをかけてます。

茸ということですから、シコシコとした食感をイメージしていたのですがマコモ茸は固くてシャキシャキとした食感。

その上に口の中でとろける白子が乗っかってますから不思議なコンビネーションです。

カラスミはとても塩辛い食材ですが、少量なので素材を引き立てるには絶妙な味加減です。

 

 

 

お次のワインは『カーサ・ヴィニコラ・ニコレッロ・ランゲ・ネッビオーロ』という長ったらしい名前の2002年物。

覚えにくい名前ですが、禁煙ガムのニコレットと高級時計のランゲ&ゾーネを足した名前に似てると思えば、覚えやすいかもしれません(無理無理)。

さらりとしていてとても飲みやすく、渋みが少ないです。

赤をあまり好まない、わしでもすんなり呑めるのでワイン初心者にも受け入れられやすいんやないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

ソムリエの方がわし等のテーブルへでかいワタリガニを見せにやってきました。

立派です。なんでも泉州産だとか・・・わし等のためにこのワタリガニはその身を捧げ、茹でられ、ほぐされ、和えられるのです。

申し訳ないと思うと同時に、どんな料理が出てくるのか楽しみです。

 

 

 

しばらく待っていると、おまちかねのワタリガニを使った『泉州産ワタリガニ♂とピオッピーノのトマトスパゲティ』がやってきました。

 

 

パスタの上にはワタリガニのほぐした身があるのが見えます。

わしはてっきり、ワタリガニの殻を一緒に飾っていると思ったのですが、ハサミの部分すら飾られていません。

やはり生きている所を見ましたから、調理された後の姿を見るのは、ちと残酷なのでカニの部分を使用しなかったのでしょう。

 

 

 

パスタの中にはたくさんの身が入っていて、口に頬張るとそれはもう至福のひととき・・・( ̄¬ ̄*)

具の中に黒っぽいのが入ってますが、こいつは奈良県産の柳松茸というヤナギやポプラといった街路樹に生える比較的目にするキノコです。

松茸という名前が入ってますが、松茸のような香りはなくて食感もシコシコではなく、シャキシャキとした歯ごたえです。

トマトソースはケチャップのようにくどくなく、スルスルッと食べられました。

ワタリガニさん、ごめんね。おいしく頂いたので堪忍してつかぁさいヾ(_ _。)

 

 

 

ソムリエの方が黒い物体を持ってやってきました。


「ま、まさかその物体は・・・Σ(゚□゚(゚□゚*)」

 

そう、これは世界三大珍味の一つと言われている トリュフ様です!!

 

 

 

 

そのトリュフ様をたっぷりスライスしたものを乗せた料理が『ほうれん草とリコッタチーズのラヴィオリ・みかん猪のラグーとイタリア産グレートリュフ』とえらい長い名前です。

 

ちなみに、みかん猪ってなんやろ・・・と後で調べてみると、四国のみかん畑を荒らす猪を捕獲して食べてみると、みかんの香りがするおいしい猪肉になるとか。

食べてみると正直みかんの香りはわかりませんでしたが(みかん猪はソースに使用されていました)、ラヴィオリはホウレンソウとリコッタチーズを練り込んだもので、濃厚かつプリプリな食感。見た目ほど味は濃くなくてトリュフの芳醇な香りが後味を引き締めてくれています。

 

 

 

お店のシンボルマークであるクラウンの焼印が施された自家製パン。

パンの中に見えるのはバジルではなく、トリュフ。

なんとも贅沢な・・・見た目は小さなパンなのに持ってみるとずっしり感があって、パンはモチモチしています。

 

 

 

鮮やかな赤といぶし銀のコントラストが美しい皿に盛り付けられているのは『天然秋鮭と自家製イクラのチンザノ漬け・フレゴーラサルダとムカゴ芋』。

 

イクラはチンザノというイタリアのフレバードワインで30分ほど軽く漬け込んだものを鮭の上に乗っけてます。

そして写真では見えにくいですが、下にはフレゴーラパスタと小さな丸いムカゴ芋が敷かれています。

チンザノに漬け込んだという事で酒の風味がするのかな・・・?と思ったのですが、全然そんなことはなくて、大きな粒のイクラは口の中でプチプチっと潰れると芳醇な味わいが口に広がっていきます。

鮭も塩を殆どかけていないので辛くもなく、淡白な味わいです。

 

 

 

シルバーのカゴに入れてやってきたのは『レマン・フレディ・アリアニコ・デル・ヴルトゥレ』。

長い・・・長すぎるぞ、この名前は。とても覚えきれませんあせる

調べてみると、なんか色んな賞を受賞しているようですよ。

 

味の方ですが・・・辛口ですね、そしてスパイシー!

とても個性的な味です。

 

ただ、わしはあまり赤は好まないので2~3口飲んだら嫁はんに飲んでもらいましたけどね(笑)

 

ワイン通は白よりも赤の方を好むらしいので、わしはおそらく永遠にワイン通にはなれなさそうです。

 

 

 

いよいよメイン料理です。

 

『イルプリンチペのスペシャリタ”サンタマリア・デル・フィオーレ”焼きポレンタと一緒に』

 

 

わしの好きな金箔が乗っかってる・・・(゚Д゚;)なにー!

 

下に敷かれたブロックの肉はタン元、間に焼きポレンタ、その上にはすね肉が乗っかってます。

そいつを皿に塗られたゴルゴンゾーラチーズを塗りつけて頂きます。

 

すね肉はまるでビーフシチューの肉を口へ頬張った感じ。

すねの細かい肉の繊維が口の中でバラバラにほぐれていきます・・・旨いねー!

 

タン元の方ですが・・・すいません、わしには口に合いませんあせる

鮮度は問題ないと思うのですが、わしは内臓系が苦手でタン元はハラミのような独特の匂いと味がします。

これはダメでした・・・申し訳ないですけど、こいつは残しました。

 

 

 

さて、いよいよデザートです。

『真のティラミス』だとか・・・バブルの頃、イタメシという言葉が流行り、そしてデザートのティラミスもまたブームになりましたね。

わしも今までにティラミスを口にすることはありましたが、こうしてイタリアンの本格的なレストランではまだ一度も食べたことがないので、楽しみですね。

 

だいたい世間で知られているティラミスというのは、カステラやデニッシュのような規則正しい長方形の形をしていますが、ここのティラミスはご覧の通り、むしろ不規則な形をしています。

そしてカカオも少なめで市販のティラミスのような、しっかりとした固さがなく、マスカルポーネもメレンゲのような、ふわっとした食感で口に入れると・・・すーっと溶けて無くなってしまいます。

生地もブランデーでヒタヒタに染み込ませてますから、これまたやわらかくて大人の味です。

 

 

 

ティラミスもさることながら、驚かされたのはガラスのお皿がとてもお洒落なこと。

ご覧のように、皿の下は空洞になっていて指が入ります。

 

 

 

お次のデザートは『新生姜のセミフレッドと無花果のシロップ煮』。

 

出汁巻きのような四角いのが新生姜のセミフレッドで、その下にあるのが無花果。

 

セミフレッドはアイスクリームのように冷たくて、あっさりとした甘さ。

でも、甘さよりも新生姜のピリリっとした辛さと風味が口の中に広がって、不思議な味がします。

 

無花果は芯まで染み込んだシロップが適度な甘さで、わしはあまり無花果は好まないのですが、そんなわしでも普通に食べられるくらいに無花果の香りは飛んでいて、あっさりとした甘さでついついおかわりを頼みたくなっちゃいます。

 

 

 

イタリア伝統のお菓子で、とうもろこしを使ったザレッティ、コーヒーメレンゲ、カントゥーニ・ビスコッティの3種。こいつをコーヒーか紅茶の茶菓子として頂きます。

 

真ん中のコーヒーメレンゲだけ口の中でほろほろと崩れますが、その他のお菓子は結構噛み応えのありますね。

あっさりとした甘さでお茶受けにはよろしいな。

 

 

 

食後酒はお好みで準備してもらえるという事なので、頼んでみました。

 

フレスコバルディ・ポミーノ・ヴィンサントというデザート酒で、白ワインに分類されるんですが見た目がウィスキーのように琥珀色です。

 

飲んで観ると・・・めちゃくちゃ甘い!

 

ほんまにデザート酒ですわ。

ワインにも色んな味や種類があるんですなぁ~、ワインど初心者には驚きの連続です。

 

 

 

そして最後の締めくくりは栗の粉で作ったカスタナッチョというカスタネットみたいな名前の、これまたイタリア伝統の焼き菓子とホワイトチョコのココナツをまぶしたお菓子です。

 

 

 

 

銀色のお皿がこれまたお洒落ですな。

カスタナッチョはあっさりとした甘さで、素朴な味がします。

イタリアで修行された料理長の作ったお菓子ですからね、イタリアに行かずとも同じ味を提供してくれるんですから、目を閉じればここはイタリアのベネチア(⌒¬⌒*)

 

 

 

カスタナッチョをじっくり味わって食べているとソムリエの方が心配そうにココナツチョコレートを見つめ、「溶けない内にどうぞ」と催促されました(笑)純度が高くて、すぐに溶けてしまうんでしょうね。

つまようじのサイズに刺さった一口サイズのとても小さなココナツチョコですけど、そんな量でも十分に甘さとココナツの甘い香りが口に充満します。

旨い・・・チョコレート好きには、たまらない逸品ですね。

 

 

 

以上がわしの食べたコースです。

ケツの毛をむしられるほどの金額を請求されるのではないかとヒヤヒヤして料理もロクに喉を通りませんでしたが(嘘つけ!)、このコースはサービス料、税別10.000円ポッキリ!

そしてワインはペアリングが可能で、今回は1人5.000円でお願いしていたようです(嫁はんが予約をしました)。

 

普通、コース料理を食べに行ったら所要時間は2時間くらいなんですが、ここでは3時間。

この内容で3時間もかけたらお店があんまり儲からないんやないかと、思わず下種の勘繰りをしてしまいます。

 

満足&充実した時間を過ごすことができました。

 

とても旨かったです。ごちさまでした~(人´∀、`〃)

 

 

 

リストランテ イル プリンチペ

〒541-0041

大阪府大阪市中央区北浜2丁目1-26北浜松岡ビルB1F

℡:050-5456-2455

営業時間:12:00~13:30/17:30~20:30

定休日:不定休

※完全予約制

 

 

 

 

Ristorante IL PRINCIPEイタリアン / なにわ橋駅淀屋橋駅北浜駅
夜総合点★★★☆☆ 3.8