アサヒビール吹田工場見学
アサヒビールの吹田工場へ見学へ行ってきました。
この工場が大阪麦酒株式会社(アサヒビールの前身)製ビン部門発祥の地だそうですね。
わしはどちらかというと西宮工場の方に思い入れがあるんですが、数年前にこの吹田工場に統合され、閉鎖されてしまったようです(´・ω・`)
当然ですが、見学するためには要予約です。
守衛室で記帳をしてから工場内に入れます。
中世騎士の甲冑の兜に似た排気筒は麦芽製造工場の屋上に取り付けられていたものをモニュメントとして飾っています。
この吹田工場ではこいつを3基取り付けていたらしく、風見鶏のような役割をしていたので、風向きによってくるくると動いていたようです。
さて、ずずぃーっと入っていきましょう。
まずは試写室でアサヒビールの取り組みを観た後に、操業開始当時の写真をスタッフの人が説明してくれます。
その内容については把握しておりません。
実は朝は10時から見学が開始されまして、わし等もその時間に参加したのですが、この工場へ訪れたのは10時半・・・見学あかんかな?と事前に問い合わせたのですが開始から30分以内であれば大丈夫との事。
わし等が参加したのはこの辺りから。
ずらーっとスーパードライの缶に模したものがありますが、スタッフの人が説明するときはこいつがぐるーんと回転してビールの造り方のパネルが載っています。
こいつがビールの原料になる大麦。
ビールには二条大麦を使用するそうで、このもみ殻がついた状態で食べてみると香ばしくて、どことなく甘味すら感じます。
ビールを飲むときに、こいつをアテにするのも悪くないですな(笑)
ちなみに麦茶には六条大麦を使用してますが、あれも食べられるんでしょうかね?
これがビールに苦みを加えるホップ。
乾燥させているのか、持ってみるととても軽くてカサカサしてます。
こいつをそのまま使うのではなく、この葉っぱを剥くと中から黄色い粉が出てくるので、それだけを使用します。
ビールを作る流れは
1、お湯に砕いた麦芽の一部と米・コーンスターチなどの副原料を仕込み釜に入れて煮ます。
メーカーによってはオールモルトを謳ってるものもありますが、別に副原料を使用するのが悪い訳ではなく、独特の味を調えるために必要なもののようです。
2、残りの砕いた麦芽にお湯を加え、仕込み釜で煮沸したものを加えます。
ここで液中のでんぷん質が麦芽糖に変わります。
3、仕込み釜でできた麦汁をろ過し、透明な麦汁(あめ湯)にします。
4、麦汁にホップを加えて煮沸。ビール特有の芳香と苦みが生まれます。
5、麦汁の煮沸で生じた蛋白質・ホップのかすなどを取り除きます。
出来上がった麦汁は冷却して酵母を添加し、屋外にある発酵熟成タンクへ移されます。
高さは20メートルもあって容量が1本あたり500kl。
そんな量を言われてもパッとしませんが、仮にレギュラー缶を1日1本飲んだと仮定すると飲み干すのに4000年もかかるとか・・・そいつがこの吹田工場には133本もあります。
冷却した麦汁にビール酵母を加えると発酵がはじまります。
ビール酵母は繁殖を繰り返しながら、麦芽中の糖分をアルコールと炭酸ガスに分解します。約1週間で若ビールができあがります。
この若ビールを0℃近くでさらに数十日間ゆっくりと熟成させます。
熟成タンクでじっくりと熟成されたビールは「ろ過機」を通り、酵母などが取り除かれ透き通った黄金色のビールとなり、瓶詰や缶詰といった樽詰工程へと送られます。
この瓶詰や缶詰の行程の速さが尋常じゃありません。
とてもじゃありませんが、目で追いつけるレベルではないんですねぇ~。
レギュラー缶の缶詰の行程が1分間でできあがる本数は1512本。
24缶入りが62ケースと6缶パックが2個分に相当します。
缶詰の行程はこんな感じ。
こいつを1分間に1512本も終えるなんてすごいの一言に尽きますね。
それだけやなくて企業による社会的責任、いわゆるCSRというやつですな。
環境についても取り組んでいかなくてはなりません。
缶蓋の形状改良や缶胴の肉薄化に取り組んでアルミの使用料を減らし、年間で数千トンものCO₂削減効果を生み出します。
そして製造工程だけでなく、工場内で出るゴミも徹底的に分別を行い、再資源化をした結果、副産物・廃棄物再資源化100%を達成しているとか。
材質別に細かく分類し、その分別容器を使用している数は50種類以上にも及ぶといいます。
煮沸をする際に新たなPIE煮沸法を導入することによって30%近くもCO₂削減に成功しています。
これは従来の一つの釜で行っていたホップと麦汁の煮沸を別々の釜で行う世界初の新技術を開発したことによってできた功績であり、この手法は効率を高めるだけでなく、ビールの泡持ち時間も長くなったとか・・・煮沸の目的の一つは不要なポップ臭、麦芽臭の除去。
確かにわしの高校の近くにアサヒビールの西宮工場があったときにはビールの嫌な臭いがしてたのを覚えています。
あれが麦芽臭なのか、ホップ臭なのかわかりませんが、決して良い匂いではありませんでした。
ところが吹田工場にいる間、あの匂いを嗅ぐことは1度もありませんでしたからね。日々進化してますよね。
アサヒビールでは『うまい!を明日へ!』プロジェクトというのを2009年春から実施してます。
このプロジェクトは47都道府県ごとの豊かな自然や環境、文化財などを未来に継承していくための活動に、期間中に製造したスーパードライ対象商品1本につき1円を活用していくというもので年々その寄付金の額が増えています。
たかだか1本1円といっても、塵も積もれば・・・恐ろしい額になりますね。
その積み立てたお金で環境保全のための植樹をしたりしてます。
ここでは広島県にある「アサヒの森」を取り上げてましたが、わし等も以前ブリジストンの環境保全のイベントにも参加したこともあります。
ビールを作る工程ではさまざまな副産物や廃棄物が出ます。
その約80%は麦芽の殻(モルトフィールド)、その他に余剰酵母もあります。
モルトフィールドは牛の飼料、余剰酵母は医薬品や加工食品に利用されたりするようです。ビール酵母のサプリメントがありましたよね。
さて、お待ちかねのビール試飲会です(笑)
所要時間は20分、最大3杯ものビールを飲むことができます。
めちゃくちゃ広くて日差しがよく入って明るい部屋で飲めます。
好きな場所で座るのではなく、あらかじめ渡された番号札通りの席に座ります。
まずはエクストラコールドのスーパードライを頂きます。
こいつは凍る寸前の-2℃以下に冷やされたビールを飲めるというもの。
お酒のアテとして、なだ万のおかきも付いてきます。
よく見ると、このなだ万もアサヒ傘下なんですね。
味の素から六甲のおいしい水や、カルピスを買収したりしてますし、自社製品だけでなくどんどんM&Aも実施して規模をどんどん拡張していってますね。
儲かってますなぁ~アサヒさん(下種の勘繰り)
初めてエクストラコールドを飲みましたが、たしかにキンキンに冷えてて旨い・・・ドイツではビールの味を味わうために比較的高い温度でビールを飲むそうですが、国民性の違いですかね?
やっぱりキンキンに冷えたビールが最高です
一気に飲み干したエクストラコールドのスーパードライ。
次はブラックビールを頂きます。
黒ビールにはピルスナーにはない、コクと甘味がありますからね。
わしは結構、黒ビールが好きだったりします。
飲んでみた感想は・・・
確かに旨いけど、ピルスナーの方が旨いな。
あまり黒ビール特有のコクや甘味が感じられませんでした。
でも、決して不味い訳ではありませんよ。
あくまでピルスナーと比較しての話ですから。
余韻に浸っている場合ではありません。
ノルマを達成せねば・・・最後はプレミアムビールである芳醇をいただきます。
スーパードライの色と比較してすぐわかるように、黄金色の色が濃いです。
飲んでみると、さすがはプレミアムビール・・・旨い。
個人的には、こいつが一番うまかった。
こりゃアサヒビールを飲むときは芳醇で決まりやな。
こうして貧乏性のわしはきっちり20分以内に3杯のノルマを達成しました(笑)
ギフトショップもあるので、ビール以外のなだ万といった食べ物もここで購入することができます。
人気番組だった「マッサン」の竹鶴ウイスキーも購入できるので、興味がある人はぜひ。
『メロード吹田』の最上階38階に『第一楼』という中華料理のお店があったので、そこで昼食を食べてたのですが、そこではアサヒビール吹田工場を見下ろすことができました。
屋外タンクが133本あるということでしたが、こうして上から見るとその数の多さに驚かされます。
工場見学の所要時間はおよそ90分。
ビール好きにはおすすめのイベントですよ。
アサヒビール吹田工場
大阪府吹田市西の庄町1-45
℡:06-6388-1943
電話受付時間:9:00~17:00
参加費:無料(完全予約制)
見学時間:9:30~15:00
アサヒビール 吹田工場 (その他 / 吹田駅(JR)、吹田駅(阪急))
昼総合点★★★☆☆ 3.0