河北新報2020.12.25

米沢ラーメンの有名店「東部食堂」(山形県米沢市)が31日で閉店する。開業から39年目。店主の酒井孝悦さん(66)の体調悪化を理由に、看板を下ろすこととなった。米沢市内屈指の名店だけに、地元では惜しむ声が広がっている。

 看板メニューは「中華そば」で、煮干しのだしが香るしょうゆベースが特徴。酒井さんが研究を重ね、たどり着いた自慢の味だ。山形県内外にファンが多く、週末の昼は連日、店外に行列ができる。

 酒井さんは福島県での下積みを経て、20代だった1982年に開業。妻幸子さん(58)と二人三脚で切り盛りし、次第に人気店として知られるようになった。多忙な日々が続く中、腰痛の悪化などで体力の限界を感じ、今年秋に閉店を決めた。

 酒井さんは「過ぎてみれば、あっという間。多くの人に愛されてきた店なんだと実感する。やってきて良かった」と語る。