イソップ物語の

 

北風と太陽の話。

 

 

この話は

 

どんな立派な

 

ビジネス書にも

 

まさる。

 

 

 

 

アメリカの

 

パウエル元国務長官が、

 

むかし

 

国務長官をされていた時のエピソード♪

 

 

 

アメリカ合衆国

 

国務省の駐車場での風景。

 

 

当時

 

パウエル国務長官は

 

警備担当者の目を盗み、

 

国務省の駐車場に向かった。

 

 

 

国務省の駐車場で働く人々は外注で、

 

だいたいが移民か少数民族だった。

 

 

当然、

 

給与は、

 

アメリカの最低賃金レベル。

 

 

 

国務省の駐車場は、

 

働いている職員の数に対して、駐車スペースが狭すぎた。

 

だから

 

毎朝、駐車場は大渋滞。

 

ものすごい苦労とストレスのなか 

 

クルマを詰め込むことになる。

 

 

国務省で働く人々のクルマの鍵を預かった係員たちが、

 

すき間がほとんどないほどきっちりクルマを縦に並べて駐車するのだった。

 

なので

 

仕事が終わり

 

帰るときは

 

一番目と、二番目のクルマがいなくなるまで、

 

一番奥のクルマは出られない。

 

 

なので

 

夕方

 

先頭に並んでいるクルマが時間通りに駐車場から出ないと大騒ぎになる。

 

 

そのため

 

国務省で働く

 

大勢の人たちは

 

つねに

 

イライラしながら順番を待つことになる。

 

 

 

いままで

 

パウエルさん以外の

 

歴代国務長官が駐車場をぶらぶら歩くことはなかった。

 

 

 

係員のひとりが、

 

パウエル国務長官に気づく。

 

 

係員は

 

パウエル国務長官が

 

道に迷ったと思ったらしく、

 

”帰り道を教えましょうか?”と話しかけてきた。

 

 

す。る。と。

 

パウエル国務長官は、

 

”君たちと、ちょっと話がしたかったんだよ。(笑)”

 

 

 

そういうと、

 

彼らは、

 

驚きながらも喜んでくれた。

 

 

 

パウエル長官が、

 

”仕事はどうだい?”

 

 

”どこから来たの?”

 

”一酸化中毒にはならないのか?”など、

 

いろいろと質問していった。

 

 

彼らは、なにも問題はないよ。との話だった。

 

 

 

パウエル国務長官は、

 

しばらく雑談をした後、

 

不思議に思っていたことを

 

彼らに聞いてみた。

 

 

”毎朝、

 

 クルマが次々と駐車場に到着するとき、

 

 一番手前の最初に出られる位置に、

 

 どのクルマを止めるのか、

 

 2番目に停めるクルマ、

 

 そして、3番目の一番奥に停めるクルマは、

 

 どうやって決めているんだい?”

 

 

 

係員たちは、ニヤニヤ顔を見合わせて、笑い出す。

 

そして、

 

ひとりが教えてくれた。

 

 

”国務長官殿。”

 

 

”ま、

 

 どうやって きめてっかってぇ~とですねぇ。。。。。

 

 駐車場に着いたとき、

 

 クルマの窓を開けて、

 

 にっこり笑いかけて、

 

 オレらの名前を呼んだり、

 

 おはよう。元気にやっているかい! って声をかけてくれる人には、

 

 最初に出られるところっすね。

 

 

 

 前だけ向いて、

 

 オレらの存在を無視し、

 

 オレらがなにをしているのか気づこうともしない人とかは、

 

 ま、

 

 だいたい

 

 一番最後に回されますね。”

 

 

 

パウエル国務長官は、

 

次の会議で、職員に こんな話をした。

 

 

この建物(国務省)で働く人々に対し、

 

敬意や思いやり、

 

優しい一言をもって接して悪いということはありえない。

 

どの職員も欠くことの出来ない人だ。

 

どの職員も、そういう風に見られたいと思っている。

 

そして、そういう風に接すれば、向こうも同じように接してくれる。

 

 

君たちが、どうなろうと知ったこっちゃないなんてことは言わず、

 

どんなことでも、自分の役割をきちんと果たしてくれるようになるんだ。

 

これは脳外科医の手術のような難しい話ではない。

 

組織に属する人は、ひとりひとりに価値があり、その価値を認められたいと思っている。

 

それだけの事だ。

 

人間というのは、承認と励ましを必要とする。

 

毎晩、私の執務室を掃除してくれる人は、

 

大統領や将軍と同じ人間である。

 

だから、

 

わたしは

 

”ありがとう”と

 

必ず ひと声かける。

 

思いやりの一言、

 

自分に価値があると彼らが思える一言をかける。

 

それだけのことをしていると思うからだ。

 

自分の事を単なる掃除人だなどと思ってほしくない。

 

彼らがいなければ、私は自分の仕事をまっとうできない。

 

国務省全体が彼らの肩にかかっていると言っても過言ではない。

 

組織が成功するとき、

 

その仕事にくだらないものなど

 

なにひとつない。

 

ただ、

 

これほどわかりやすく、

 

簡単に実行できる原理を理解できない、

 

くだらないリーダーが多すぎるだけだ。