身近な自然観察 エノコログサいろいろ

 エノコログサの穂が目立つ季節です。少し前の記事で、簡単に「エノコログサ」と書いていましたが、日本にあるエノコログサ属は下記の種類などがあるようです。またまた、近縁の見分けが出てきて、識別が難しいものもありそうです。昨年の記事で、穂が黒っぽく汚れたように見えるエノコログサをムラサキエノコロとしていました(再度写真を見ても黒っぽいので間違いないでしょう)。今回いくつか写真を撮った中で、やや黒っぽい感じがするものは光の加減かもしれません。赤茶のものはキンエノコロの感じがします。また、垂れているのはアキノエノコログサかもしれません。
 エノコログサ識別は全く初心者のため全く自信がありません。とにかく、エノコログサと言ってもいろいろ違う種類があるということの紹介だけになりそうです。せいぜい1キロ程度の道で、これだけ違うものが見つかるというのも驚きでした。
 この夏の時期、穂の毛が黄緑でないものは、ムラサキエノコロ(紫色)、キンエノコロ(黄色)、コツブキンエノコロ(紫褐色~黄金色)の3種のようです。

 

 今のところ、特に最近は近縁の種類の識別をできる範囲で挑戦していますが、なぜこだわるかと言えば、種類が違えば、物語が違ってくるからです。例えば、古来から日本に自生していたものか、史前帰化で古くから日本人の生活とともにあったものか、江戸時代に入ってきたのか、明治以降入ってきたのか、戦後入ってきたのか、ごく近年全国に広まったものなのか等だけでもずいぶん違います。近縁でも物語が全く違ったりします。
 
●キンエノコロ(イネ科エノコログサ属Setaria pumila
Wikipedia「キンエノコロ」(※1)から、

「穂にびっしり生える毛が、黄緑色のエノコログサと異なり、黄色である。」
「ヨーロッパ原産だが、北半球の温帯から熱帯にかけて広く分布する。」
「日本では同属のアキノエノコロとともに最終氷期から自生しており、縄文時代中期以降に入ってきたエノコログサより古株である。」

●ムラサキエノコロ(イネ科エノコログサ属Setaria viridis  f. purpurascens Maxim.(Wikipedia)/Setaria viridis f. miseraなど
●エノコログサ(イネ科エノコログサ属Setaria viridis (L.) P.Beauv. など)
Wikipedia「エノコログサ」(※2)から

「全世界の温帯に分布する。日本でも全土の日当たりのよい畑地、荒地に分布する。縄文時代前半まではなく、日本にはアワ作とともにアワの雑草として伝わったものと推測される。」
「イヌビエなどの穂から出る毛は、小穂を包む鱗片(穎(えい))の先端から伸びる芒であるが、エノコログサの場合、この毛は芒(のぎ)ではなく、小穂の柄から生じる長い突起である。」
「アワ(粟)の原種であるので食用に使える。基本的に穀物であるので、粟やほかの穀物同様、種子の部分を脱穀・脱稃して食用とする。近代以前の農村では、飢饉の際にカラスムギなどと共にこれを食用としたこともあった。」

●アキノエノコログサ(Setaria faberi)穂は長く垂れる
●コツブキンエノコロ(Setaria pallide-fusca
●ハマエノコロ(Setaria viridis var. minor f. pachystachys) 
●オオエノコロ グサ(Setaria × pynocoma)アワとエノコログサの雑種。穂は長くやや垂れるものもある。

↓光の加減で黒っぽく見えるだけかも
2021/7/31撮影


 

↓キンエノコロか
↓2021/7/31撮影

↓2021/7/30撮影

 

↓エノコログサか

2021/7/30撮影


 

↓アキノエノコロか
2021/7/30撮影


 

↓初心者のためわからず
2021/7/30撮影




 

 

(引用)

※1:「キンエノコロ」フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/4/21  05:36 UTC 版)https://ja.wikipedia.org
※2:「エノコログサ」フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/8/3  05:37 UTC 版)https://ja.wikipedia.org

 

(ムラサキエノコロを載せた昨年の記事 2020/11/11撮影の写真)

身近な自然観察 11月の道端、川岸
2020-11-22 18:09:32