本日から開幕した夏の甲子園大会、私は本日午後から時間休みを取り早速甲子園に足を運んできました。


本日の大会第1日目のカードはこちら...



本大会から夏の猛暑対策として試験的に午前、午後の2部制が導入される甲子園。


そんな2部制初実施の大会初日。開会式とその後の第1試合が終了した後、一度観客を全て退場させ、その後再び15時から開門の上、第2試合を16時から行う試合予定となっています。


さすがにこの時間になると少し涼しいですねぇ。観客も徐々に集まってきました。



私は本日観戦に訪れたお目当てのカードは第2試合の健大高崎(群馬)と英明(香川)のカード。センバツの覇者健大高崎に対し、英明がどこまで食い下がれるかに注目。


健大高崎は夏の大会出場を決めた後、エース佐藤くんが肘を疲労骨折していたという驚きのニュースが飛び込んできました(佐藤くんはトミー・ジョン手術を行う可能性があるとのこと)。このためこの夏の甲子園はベンチ外となります。


佐藤くんはもう一人の二年生コンビ石垣くんと共にこの春のセンバツ優勝の立役者でした。夏の甲子園でも欠かせない戦力だっただけに、今回の故障による離脱は非常に残念なニュース。そして、このアクシデントに対し、春の王者健大高崎は、総合力でどうこの夏の甲子園に立ち向かうのか。


対する英明も昨年の夏に引き続いての出場。昨年の甲子園で英明は智弁学園とのシーソーゲーム、延長戦タイブレークにまでもつれ込む大熱戦を演じました。結果は惜しくも敗戦でしたが、昨年の夏の甲子園、数ある試合の中でも非常に印象深い試合を見せてくれたチーム。予選でライバル高松商業を破り、再びまたこの夏の舞台に帰ってきました。


そんな両チームの対戦、果たしてどのような結末を迎えるのでしょう。


試合は英明・清家くん、健大高崎は甲子園初先発となる左腕の下重くんの先発で始まりました。


3回までは互いにゼロ更新、甲子園初先発の下重くんも非常に落ち着いています。英明のエース清家くんもスライダーとカットボールがキレ、強打の健大高崎に自分たちのバッティングを許しません。健大高崎の強打者箱山くんの時には、腕をサイド気味にして投げる場面もあり、英明も健大高崎に対し、いろいろ工夫しいる印象を受けました。


そんな序盤膠着状態の試合の中、中盤先にチャンスを掴んだのは英明。下重くんを攻め、1死満塁のチャンスをつかみます。ここで健大高崎青柳監督は早くも、夏の予選までエースナンバーをつけていた佐藤くんから、そのエースナンバー番号を引き継いだ石垣くんをマウンドに送ります。その石垣くん、夏の甲子園初マウンドながらも150キロ超えのストレートを連発、相手打者7番高橋くんを見事ホームゲッツーに打ち取りこのピンチを見事に切り抜けます。


すると5回、健大高崎は振り逃げのランナー加藤くんが盗塁を成功させ、1死二塁のチャンス。ここで4番主砲箱山くんの打ち上げた打球はレフトに...。


一瞬スタンドインかと思われる程の大飛球。これをレフト平見くんがフェンスにぶつかりながら好捕。しかし、その隙を健大高崎の加藤くんは見逃しませんでした。三塁へのタッチアップから、一気に本塁まで陥れる好走塁。この加藤くんの好走塁により、健大高崎は待望の先制点を挙げることに成功します。


6回には英明も四球とエラーなどで1死一、三塁のチャンスを迎えます。でもここでもさすが石垣くん。153キロの直球で相手打者をお仕込み、5番山口くんを三振に打ち取ると。続く6番高木くんの打席出英明は一塁ランナーが二塁にスタートを切ったタイミングで、三塁ランナーが何とホームスチールを敢行。


しかし、これを健大高崎のセカンド高木くんが、カットして本塁に送球。送球はショートバウンドになりますが、これを見事にキャッチャー箱山くんがすくい上げ、ランナーにタッチしてアウトにし、この最大のピンチも切り抜けます。


試合はそのまま最終回へ。石垣くんの球威は最後まで衰えず、最終回英明の反撃を抑えそのまま試合はゲームセット。健大高崎は打撃面で苦しみながらも、1-0で英明を振り切り、春夏連覇へ向け初戦を突破しました。




健大高崎は佐藤くん不在の中でも、代役の下重くんがしっかり先発の役割を果たし、またこの試合1年生の石田くんが甲子園でスタメン出場していきなり安打を放つなど、健大高崎、やはり選手層はとても厚い印象を受けました。


石垣くんも春からスケールアップしている印象を受けました。佐藤くんがいない分、この甲子園は俺がやる、そんな思いが伝わってくるような初戦のマウンドでしたね。それをリードする箱山くんもしかりです。長打は本日出ませんでしたが、やはり打球が力強い。捕手としての能力の゙高さも伺い知れました。下重くん、石垣くんを冷静にリード。特に6回英明がしかけたダブルスチールも冷静に対応するなど、この夏も箱山くんからは目が離せそうにないですね。


走塁でも先制の加藤くんの二塁からレフト犠牲フライで一気に本塁を陥れるあたり、健大高崎の看板でもある機動力は健在だなと。これも普段から意識的にやってないとなかなかできるもんじゃないでしょうから。


健大高崎の青柳監督も石垣くんへの早めのスイッチ試みたあたり、初戦にはかなり神経を遣っていた印象を受けました。こうした采配も夏の初戦の怖さが分かっているからこその、積極的な采配だったんでしょう。結果的にこの早めの継投もとても大きかったように思います。次戦も健大高崎がどのような戦いを見せてくれるのか楽しみです。


英明も春の王者相手に堂々の戦い振りでした。エースの清家くんは強打の健大高崎相手に1失点の好投。ピンチの場面で相手打者を打ち取った場面では思わず派手なガッツポーズが出てしまうあたり、気持ちの強い選手なんでしょうね。


最近はいつも甲子園に来るたびに好ゲームを見せてくれる英明。次甲子園に戻って来たときは、またどんなゲームを見せてくれるんでしょうか。


今大会初めての2部制になっての初ゲーム、両チーム調整方法もいろいろ頭を悩ませたでしょうね。今回、英明の香川監督は、選手たちを一度宿舎に帰し、ユニフォームを脱いでリラックスさせたとか(中には軽く昼寝をしていた選手もいたようです)


開会式が終わり、夕方4時までずっと緊張しっぱなしはさすがに気持ちがもたないでしょうからね。一度緊張をほぐし、また夕方のゲームに向けて緊張を高めていく、その過程は理解できます。そういう意味では各校監督のマネジメントが今まで以上に求められてくるんでしょうね。ナイトゲーム(照明点灯ゲーム)への対策も今後は今まで以上に必要になってくるかもしれません。


個人的には夕方からのゲームはとても見やすかったです。試合開始当初は少し日差しもありましたが、途中からは風も出てきて心地よかったです。


選手たちはもちろんなのですな、何より本日アルプスで応援していた学校関係者の皆さんも体力的にはだいぶ楽だったんじゃないでしょうか。




大会が終了したときに、またこの2部制はいろいろと総括されるんだと思いますが、比較的好意的に受け止められるんじゃないかと私は思いますけどね。私自身としては試験的とは言わず、来年は3回戦までの間はずっと2部制続けて欲しいなと。何より仕事を時間休で切り上げ、夕方からのゲーム観戦することができるわけですから、これはこれで私としても非常にありがたいので(笑)


夕方、ナイターのゲームが当たり前、20時、21時までのゲームは最初は違和感はあるかもしれないですが、案外時間が解決するんじゃないか、私はそう思います。


2部制はあと大会2日目、3日目と実施されます。プロ野球のナイター並みの熱戦を家で楽しむのも悪くない、そう感じた今回の2部制初観戦でした。しかし、プロ野球ファンとしては2部制となった際、高校野球とプロ野球どちらを観たらよいのか、これはこれで非常に悩みどころではあります(苦笑)