プロ野球で年に数回行われる地方ゲーム、この度私、妻を連れ立ち前々から一度行ってみたかった松山坊ちゃんスタジアムで行われたカープ戦に行ってまいりました。



松山は野球の呼び名を発案したと云われる俳人正岡子規の地元、また高校野球でも四国の松山は松山商業をはじめ強豪揃いで、古くから野球が盛んなお土地柄であり、松山は全国でも屈指の野球処として野球ファンの間で広く親しまれています。


そんな今回松山で行われる今回の公式戦なのですが、対戦相手はもちろんヤクルトスワローズ、この度の坊ちゃんスタジアムでのカープ戦もスワローズの主催ゲームとなります。「ん?なんで、ヤクルトスワローズが松山?」、そう思われた方もいるかもしれないので、ここで少し説明させていただくと...。


スワローズと松山の縁は非常に深く、スワローズは2004年から毎年秋季キャンプを松山(坊ちゃんスタジアム)にて行っています。オフの自主トレを松山で行うスワローズの選手も多く、こうした縁もあってヤクルトスワローズ球団は松山を数年前から準フランチャイズとして位置づけており、毎年、年に数試合はこの松山で公式戦の主催ゲームを行っています。


本日のスタジアムも、神宮球場仕様に。いたるところにヤクルトスワローズ関連のポスターやパネルが設置されています。




過去この松山で2005年に古田敦也さんが2000本安打を放つなどメモリアルな歴史も刻まれてきました。球場周辺にはその古田さんの2000本を記念する記念碑があります。



それ以外にもスワローズが15年・22年のリーグ優勝、21年の日本一と計4つの記念碑が坊ちゃんスタジアム周辺に建立されています。



もうこれだけでも松山とスワローズの結びつきの強さが分かるってもんです。


松山坊ちゃんスタジアムも立派、スタジアムは松山城築城400周年記念事業として整備された松山中央公園の一角に設けられ、中堅122メートル、両翼99.1メートルの規模を誇ります。



ちなみにこの広さは甲子園をもしのぐとのこと。収容人数も3万と地方球場としては申し分ない施設となっています(他にもスワローズが秋季キャンプで使用するための最大6人まで入れる室内プルペンも整備されています)


そんな坊ちゃんスタジアムでの公式戦はまさに地域のお祭り、私達が球場に到着した際にはもう既にたくさんの野球ファンの方で賑わっていました。



カープファンも多いです。松山は広島から瀬戸内海を隔ててちょうど向かい側に位置するとあって、しまなみ海道を超え数多くファンが松山に来襲、もちろんスワローズファンもとても多かったです。


そんな松山で行われた本日のゲームですが、先発はスワローズ小澤投手、カープ床田投手の先発で始まりました。


試合は3回までは両投手の好投もあり投手戦、そうして迎えた4回のカープの攻撃。一死からこの試合3番に入っていた菊池選手のライト前への安打を、スワローズの丸山選手が後逸。菊池選手は一気に三塁を陥れます。ここでここ数試合4番でよい働きをしている小園選手がしぶとくレフト前にタイムリーを放ち、この試合カープが先取点を取ることに成功。


6回にも野間選手、菊池選手の連打で無死、一、三塁とチャンスを広げ、このチャンスにまたしても小園選手がセンター前にタイムリーを放ち、カープは試合中盤に追加点をあげスワローズを突き放します。


その後さらにノーアウト満塁のチャンスが続きますが...。しかし、ここはヤクルトの継投と、カープのアンラッキーなダブルプレーでこの絶好のチャンス不意に。この絶好のチャンスで1点のみ。これはいやな予感しかしない...。


そしてその予感は的中し、その裏カープはここまで好投を続けてきた床田投手の゙四球や、そこに安打を絡められ、ツーアウトながら満塁のピンチを迎えます。チャンステーマが鳴り響き押せ押せのスワローズファン、打席はチャンスに強い西川選手...。


緊張感が球場全体を支配する中、床田投手の投じたボールを西川選手がジャストミート。これはやばいとカープファンの誰もが感じたその時でした。その打球を何とセンター秋山選手が突っ込んで好捕。打球が伸びすぎたのも助かりました。何はともあれ、カープは何とかピンチを切り抜けることに成功します。


その後、カープは7回にスワローズ武岡選手にソロ本塁打を浴び1点差に詰め寄られるも、この回を何とかしのぎ、8回からはカープお得意の逃げ切りパターンへ。8回島内投手、最終回を栗林投手がしっかり締め、緊迫した松山シリーズの初戦を2-1の僅差で何とかものにすることができました。


いやー、この松山での野球観戦は私にとっても今季初のカープ観戦だったので、喜びも格別です。矢野選手、末包選手の新応援歌もしっかり歌うことができ大満足でした。おかけで声が少し枯れちゃいました...。


カープはこれで再び貯金1,外国人が全く機能しない中ほんとよくやってると思います。開幕前に期待された田村選手、そしてつなぎの4番を任されていた堂林選手も打撃不調で現在二人ともファームですからね。何より打の中心を期待した坂倉選手もここまで打率1割台と苦しんでおり、打の方は課題山積。でも、そんな中でも貯金1でしょ。正直上出来ですよ。


それには投手陣の頑張りが大きいですよね。本日の床田投手といい、後にいく投手といい今季のカープ投手陣は今のところ安心して観てられます(強いて言うなら九里投手にも早く勝ち星がついて欲しいところですが...まあそれも時間の問題だと思います。九里選手もよい投球はしてくれているのでこれから、これから)。


あと若手の頑張り、矢野選手、二俣選手、また現在ファームですが久保選手など、今季は例年以上に若鯉の名前を聞く機会が多く、これはファンとしも嬉しい限りです(特に矢野選手の成長度合いはエグいですね。守備は若い頃の菊池選手クラス、今日の試合でも素晴らしい守備を見せてくれていました。今季は打撃も改善が見られてきており、本当に観ていて飽きさせない選手だなと)。


もちろん中村健人選手や、故障から帰ってきた末包選手も頑張ってくれています。今季の新井カープは若手への先行投資(育てながら勝つ)をテーマに掲げて戦っていることはファンの誰の目にも明らか、そんなチームの投資がこれから夏から秋にかけて実ってくれることを願うばかりですね。もちろん若手なので失敗はありますが、本日ファームから昇格してきて即スタメン起用した林選手のように、今のカープ首脳陣には若手の失敗を許容しつつも、積極的にチャンスを与え続ける強い信念を感じます。こうしたチームの姿勢、私は全面的に支持します。


そんなこんなの今夜の地方の屋外で行われたカープ戦、個人的な感想としては、ひとえにとても懐かしい思いがした、この言葉に尽きると思います。


私の生まれ故郷は岡山で、私が子どもの頃、岡山でも当時年に数試合は公式戦が行われており、私もよくその時は球場(昔は岡山県営球場、今は倉敷マスカットスタジアム)に友達などと野球観戦に行っていました。その時のカードはタイガースVSカープが多かったように思います(今は一軍公式戦でのカープ戦はマスカットスタジアムでは行われていないそうですね。何かさみしいですが...)


当時はまだなかなかプロ野球を観戦する機会や観戦ツール(ケーブルテレビなんていう野球専門の多チャンネル番組もなく)が整っておらず、地上波テレビは専ら巨人戦。それだけに年に数回の地元で生のカープ試合が観られる機会はとても嬉しく、前夜はドキドキしてなかなか寝付けなかったことを昨日のことのように思い出します。


今日松山坊ちゃんスタジアムの空気を吸う中で、なんかそれを思い出しちゃいましたね。何ていうんでしょう、地方開催独特のあのお祭り的な雰囲気、駅の混雑具合といい、あぁこれこれって感じがしましたね。


昨年は北海道の新球場エスコンフィールドに、今年は地方の松山坊ちゃんスタジアムと、立て続けに行ったことがない球場に足を運んでいますが、やっぱり行ったことがない球場に行くとワクワクしちゃうのはなんででしょうね?将来もっと落ち着いたから、こうして全国の球場をまわってみたいなぁ、なんて思っちゃいました(笑)


野球観戦はやはり私のライフワーク、そんなことを改めて感じた今回の松山坊ちゃんスタジアムでのカープ観戦でした。


今度の観戦は6月交流戦、仙台であるカープ戦です。またその日を楽しみに関西に帰ったら仕事に励みたいと思います!とにかく貯金1,交流戦まではこのラインを死守しながら、上位に食らいついていきましょう!!


PS.

本日の私の座席の隣に座っていた若いお兄さんのお仲間たち、私の衣笠ユニが気になったのかめちゃ話しかけてきてくれました。何でも広島在住の方でビジターもよく遠征してるみたいです。


このお兄さん達と当日の勝利後、笑顔でお互いグータッチでお別れし、次仙台での再会を誓いました。こうした出会いも現地ならですね。それにしても、球場でよく話しかけられるのは何ででしょう。やはり衣笠ユニの影響か...?(笑)