逆さ言葉を言い合う集団 | 山田小説 (オリジナル超短編小説) 公開の場

山田小説 (オリジナル超短編小説) 公開の場

アメーバブログにて超短編小説を発表しています。
「目次(超短編)」から全作品を読んでいただけます。
短い物語ばかりですので、よろしくお願いします。

 今日、逆さ言葉を言い合う集団に初めて参加した。単語の発音の順序を逆様にしながら参加者同士で話し合ったのだが、私はまだ頭が慣れていないせいで会話になかなか参加できなかった。会合に参加しているという実感を得られずに疎外感に苛まれ、歯痒い気持ちにならされた。

 今日、逆さ言葉を言い合う集団に参加した。また単語の発音の順序を逆様にしながら参加者同士で話し合ったのだが、ようやく頭が慣れてきたので私はどうにか会話を成立させられるようになってきた。家に帰ってから思い返してみると幼児言葉の域を出ないような発言ばかりなのだが、そのような稚拙な内容の会話でも逆さ言葉で行うと結構な達成感を得られるので楽しい。同じ内容の会話を普通の順序の言葉で行ったら即座に飽きるはずである。

 今日、逆さ言葉を言い合う集団に参加した。また単語の発音の順序を逆様にしながら参加者同士で話し合ったのだが、頭が慣れてきたので私はもうかなり高度な会話も成立させられるようになってきている。そのせいで最近では普通の会話では口頭に上がらないような長い発音の単語を自分の発言に組み込もうと試んでいる。長大な発音の科学用語や固有名詞などをたくさん調べて頭の中に詰め込んでいる。


関連作品

石を持ち寄る集団
犬のように吠える集団

目次(超短編小説)