犬型機械の反応 | 山田小説 (オリジナル超短編小説) 公開の場

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 休日に友人が住んでいるマンションに初めて訪問した。友人は部屋の中で犬を飼っていた。私は動物が苦手なので近付きたくなかったのだが、犬の方からこちらに駆け寄ってきた。

 「それは犬型機械だよ。人間に危害を与えないように設定されているから安心していいよ」と友人は微笑みながら言った。私が怖がっていると思ったようだった。

 犬は私の足元で尻尾を振っていた。私はその姿をじっくりと観察したが、本物の犬ようにしか見えなかった。「これは本当に機械なのか?」と私は友人の方に視線を向けて訊いた。

 「機械だよ。だから、絶対に攻撃的な行動は取らないよ。そういう反応は設定されていないからね」と友人は腕を組みながら言った。

 「なんだか本当に生きているみたいだけどね」と私は感想を言った。

 「一緒に暮らしていると生き物ではないと徐々に実感してくるよ。愛玩動物として適切な行動を取るように設定されていると取り扱い説明書には書かれていたけれど、本物の犬と比べると行動が単調だから飽きてくるのだよね。君が欲しいならプレゼントするよ」と友人は言った。


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