宇宙人と商店街を歩きながら話し合っていた。
「鳥肉が売られているね」
「あそこは鳥肉屋だよ。君の故郷の星にも鳥はいるのか?」
「ああ。たくさんの種類の鳥がいるよ。この惑星の鳥と同じように翼で空を飛ぶよ。でも、この惑星の鳥とはまったくの別種なのだろうね。太古にまで遡っても共通の先祖が存在しないのだからね」
「君の星の鳥は美味しいのか?」
「故郷の鳥は火で炙って食べると美味しいよ。でも、この惑星の鳥の肉を見ても美味しそうだとは感じられないね。故郷の鳥とはまったく違う種類の生き物だと理解しているせいで食欲が刺激されないのかな?」
「火で炙って食べてみるか?僕の家の台所を使ってもいいよ」
「どうしようかな?僕の内蔵は違う惑星の生き物をきちんと消化して栄養を摂れるのかな?君の身体にとっては安全だとしても、僕の身体にとっては毒になるかもしれないよね」
「試しに食べてみようよ。替わりに僕に君の食料を分けて欲しい。宇宙船に積んであるのだろう?」
「二人が同時に消化不良を起こして倒れたら誰が看病するの?」
「そもそも異星人が体調を崩した時の対処法なんて知らないから君が倒れても看病はできないよ」
関連作品
違う惑星の肉
目次(超短編小説)