浜辺の大きな夕日 | 山田小説 (オリジナル超短編小説) 公開の場

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 夕暮れ時に友人達と一緒に浜辺で駆け回って遊んでいたのだが、一人の友人が立ち止まって身動きしなくなったので私は近寄っていって問い掛けた。「どうしたの?」

 「なんだか今日は夕日が随分と大きいね」と友人が答えた。友人は西の空を眺めていたのだった。

 すると、私達の問答を聞いていたらしい他の友人達が口々に言った。「本当だ。随分と大きいね」「それに、赤いよ」「こんなに大きい夕日は初めて見るよ」「雲を燃やしているみたいだよ」「海も燃やしそうだ」「このまま沈まないでもっと大きくなっていきそうだよ」「沈まないわけないよ」「今は何時なのだろう?」

 私達は誰も時計を持っていなかった。夕日はまだ当分は沈みそうにないのだが、帰宅するべき時刻をとっくに過ぎていそうだと私は思った。


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