橋上のロボット | 山田小説 (オリジナル超短編小説) 公開の場

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 真夜中に鉄橋を歩いて渡っていて前方に随分と背が高い人影が立っていると気が付いた。目を凝らすと人影の正体は首が長いロボットだった。烏賊の触手のような長細い腕が胴体から何本もだらりと垂れ下がっていた。そして、球状の胴体が直接地面に置かれていて脚は見当たらなかった。人間とはまるで似ていなかった。なぜ人影だと勘違いしたのだろうかと考えて私は首を傾げた。

 「何をしている?」と私はロボットの近くまで歩いていってから尋ねた。

 しかし、ロボットは私の質問に応答しなかった。何の反応も示さなかった。私の存在を認識していないのかもしれなかった。よく見ると首の先端は尖っているだけで頭部がなかった。動作させてみたくなったが、身体のどこにもスイッチが見当たらなかった。これはロボットではないかもしれないと私は思った。これは何だろうかと私は考えた。

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