歩いていく息子 | 山田小説 (オリジナル超短編小説) 公開の場

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 夜、部屋の外から足音が聞こえてきたので目が醒めた。どうやら息子が廊下を歩いているようだと私は思った。しかし、足音がどんどんと遠くへ離れていくので違和感を覚えた。その廊下はそこまで長くないはずなのだった。

 奇怪な現象が起きていると考えて胸騒ぎを覚えたので私は目を開けて立ち上がった。室内は真っ暗だったが、そのまま照明も点けずに扉を開けて部屋から出た。しかし、廊下はがらんとしていて人気がなかった。屋内は静かで物音一つ聞こえてこなかった。目を凝らしたが、すぐ近くに階段があり、廊下は長く延びていなかった。

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