犬に咬まれている夢 | 山田小説 (オリジナル超短編小説) 公開の場

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 犬に咬まれている夢を見た。私は地面に尻餅を着いていた。上腕辺りを後方から咬まれてるのだった。犬はひどく興奮しているようで息遣いが荒かった。牙の先端が腕の肉にまで食い込んでいるようで簡単には引き剥がせそうになかった。

 そこは校庭のようだった。遠くに校舎のような建物があり、ジャングルジムやシーソーなどといった遊具も見えていた。それに、私の周りでは何人かの子供達が遊んでいた。いつものように夢の中に登場する人間達には顔がなかったが、私は彼等が楽しそうに笑っているような気がしていた。

 犬に咬まれているので私は他の子供達のようには無邪気に笑っていられなかった。なぜ彼等は私の腕から犬を引き剥がしてくれないのだろうかと考えていた。それどころか、彼等は私の腕に噛み付いている犬の存在を気に掛けてもいないようだった。

 助けてもらいたいので私は彼等に犬を見せようと試みたが、彼等は私が声を掛けても振り向かなかった。犬だけではなく、私まで無視されているようだった。それで、私はひどく惨めな気分になり、犬に対して腹が立ってきた。犬に対する怒りで顔面が熱くなってくるように感じた。

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