胴が長い猫 | 山田小説 (オリジナル超短編小説) 公開の場

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 居間のソファに腰掛けたままの姿勢で午睡していたのだが、太腿の上に猫が乗ってきたので意識が覚醒した。

 まだ眠気が残っていたので私は目を開かないまま片手で猫の背中を撫でた。随分と痩せているように感じられたので心配になった。それに、胴体が不自然な程に長かった。ソファの膝掛けの外側に頭部と尻尾がはみ出しているようだった。まるで蛇のように細長かったが、毛並みはやわらかくて手触りが心地良かった。

 撫でていると筋肉や内蔵などが胴体の内側で脈動している様子が感じ取れた。ただ、やはり痩せ過ぎているという点が気掛かりだった。私はもっと栄養が豊かな食事を猫に与えなければならないと考え、台所にあるはずの食材を色々と思い出してみた。

 しかし、意識の半分程が睡眠状態にあるようで私はソファから立ち上がれなかった。それでも目覚めている方の意識では猫の体重を心配していた。たくさんの餌を与えなければならないと気を揉んでいた。

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