初日の出 | 山田小説 (オリジナル超短編小説) 公開の場

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短い物語ばかりですので、よろしくお願いします。

 小高い丘の頂上にある公園で他の大勢の人々と共に初日の出を見物し、新年の到来を歓迎した。清らかな白い陽光を全身に浴びると心の底に沈殿していた様々な汚れなどが一気に浄化され、私という人間が刷新されるかのような実感を覚えた。

 頭の中が真っ白に浄化されたかのように何も考えられなくなり、私は阿呆になったような気がした。しかし、不快ではなかった。むしろ清々しかった。陽光がすべてを洗い流してくれていた。苦悩も不安もなかった。実に心が軽やかで、自然と笑みが込み上げてきた。

 丘を下りながら私はすっかり意気揚々とした気分になっていた。こんなにも楽しい経験であるならば毎日が元旦であるべきではないかと思っていた。これから日課として夜明け前に丘に登って日の出を拝もうか、と検討していた。また一年も掛けて苦悩や不安を蓄積していくのだと考えると辟易とさせられるので、もっと短い期間で清算できるようになればいい、と考えていた。


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