ご無沙汰してます。主宰の山田です。ブログへの投稿はどれくらいぶりでしょうか。とにかく暫くぶりですね。いつもこちらをご覧になって下さる皆様、劇団を応援して下さる皆様、誠にありがとうございます。

 

さて、連日メンバーみんなが述べてますように、この度3名の劇団員が退団する事となりました。西岡大、大海エリカ、ただのあさのぶ(こと、黒川元晴)の3名です。

 

そうですねぇ…今は、物凄く沢山の気持ちが入り交じって、何とも言えない複雑な感じです。この心情を言葉にするのはとっても難しいけど…逃げずに分解して言葉にしていきましょうかね。先に松本渉という、僕にとって同級生でもある重要なメンバーが辞めたとき、僕は言葉にすることを躊躇い逃げてしまったので。だから、松本も含めた4人についての思いです。

 

まず、包み隠さず本音を言えば…うん。やっぱ、ちゃんと悲しいし、ショックです。だって、長く劇団に滞在していた4名だから。これは衝突事故ではありませんよね。在籍して、長く苦楽を伴う時間を共有して、団体の経過を体感した上での判断です。この判断は安くないですよやっぱね。西岡が3年、大海が6年、松本は創立メンバー、黒に関しては創始者の1人です。機能面においても、もちろん精神面でも、こんなもんは辛いに決まってます。ごまかしてもしょうがない。寂しいなどと我が儘は言いませんが、痛いですよ実際。まだ世の中に山田ジャパンが存在しなかった時に山田ジャパンを企てた、歳の近い「仲間」が、男にはいなくなりました。愛する後輩どもはいますがね。

 

主宰者として「辞められる」という事は「フラれた」ということです。在籍する事での「不満」や「不安」が、「充実」と「期待」を追い越してしまったから、辞めるんだと思います。だからほぼ僕のせいですよね。人の判断に全て僕が関与してると思うなんて傲慢かも知れませんけども、劇団という特殊な集団性の中では、辞めるということは、主宰である僕の力不足です。「充実した日々」「明るい未来」の提供不足です。あ〜あ、いっぺんにたくさんフラれちまったぜ。ちくしょう。

 

 

でもね。

 

 

僕はこういう時に、辞める側を否定、残る側を肯定するのが大嫌いでしてね。残る側の肯定はまだいいとしても、辞める側の否定は特に嫌だ。逆もまた然りです。辞める人が、辞める自分を肯定して、残る者(団体)を否定する……気持ちは大いに分かります。それってもはや防衛だし、自分の人生を肯定するメソッドです。僕だって、そうしたい気持ちが無いと言えば大嘘つきになるでしょう。どうにか辞める側の人たちに間違いの理屈を背負わせそうになる心情は、どうしても出ちゃう。でも……そんなことすんの辞めようぜって思うんです。考えてみてよ、と。何の保障もない「劇団」なんて曖昧で不効率なもんをですよ?何年も一緒にやってたんです。それはもう、感謝だけでいいじゃないですか。誰も誰でもなかったんだから。旗揚げの時なんて、あさこも全然売れてなかったし。ほんとイメージとしては、弱者どもが、どうにかはぐれないよう手を掴んで、ほんの少しの自信をこっそりと持ち寄って、握手したんです。どうでもいい小さい賞を取っただけのことを根拠に円陣を組んで「ファイト、オー!」なんて感じで。笑っちゃいますね。しかし愛おしい瞬間です。

 

 

こんな感じですね。下北沢楽園での旗揚げ公演。皆若い。一番右は僕ですね。川本兄さんが前に出過ぎて松本を隠してますね。こういう所ありました川本さんは。でも大好きな先輩でした。もう辞めましたが。それから、若い羽鳥とあさこに挟まれてるのは、山田ジャパンにいたことを頑なに伏せる、初期看板役者の大野さんですね。大野さんは辞めた人の中では一番売れました。大河ドラマ真田丸で、スタンドインのカメラテストだったかな?からチャンスを掴み、ガッツリいい役を掴んだんです。それから順調な俳優生活を進んでます。実力のある人ですからね。さすがです。僕もずっと頼りにしてたけど、大野さんも辞めました。辞めた時はムカついたけど、今は何だか、活躍を嬉しく思ってます。歳でしょうかね。この時から10年。みんなちょっと太ったり禿げたりしてますわ今は。まぁとにかく辞めたり死んだり、色々ございました。

 

(いかん、感情的になってきてしまっている。こうやってLIVE感で書いてくのが僕のブログスタイルだった気がするな。後で見直す小知恵は持ってますが、ひとまず書き殴り続けよう)

 

まぁですね……劇団の本質というのは、メンバーの奴らが言ってる通りです。とても安直な例えだけれども、やっぱ「家族」なんです。これはもう、代えの言葉はありません。家族です。全員の好きなところと嫌いなところを、それぞれ全部把握していて、もうあまり変わらない。好きも嫌いも固定化された上で、尚それでも一緒にいて平気という、いいんだか悪いんだか分かんない集合体ですね(笑)

 

そんな家族が、出て行く。定期的にノーを突き付けて、出て行く。それぞれの理由で「ここにいる価値がなくなりました」と伝えて出て行く。最初に言ったように痛いですよ?ショックです。それを否定したいような気もする。けど何でしょう…最初に「複雑な感じ」と申し上げたのはですね……どういう訳でしょう……嘘と思うかも知れんがね、心の奥底で一度「まぁ、仕方ねえ」と腑に落とすと、、その後で沸き上がる気持ちは、、、「頑張れ」って気持ちですわ。「出来れば成功しろ。そうでなくとも、最低限の幸をキープしろ」と、そんな風に、強烈に思うのです。皆そうだけど、特に黒なんてそうかな。彼はよく僕の右腕なんて言われてたけど、そんな安い存在ではないですよ。ほぼ、プロデューサーだったんですから。最初はガサツで好きじゃなかったな。そのうちガサツに慣れてきて、いつしかお前のガサツを頼りにしている俺がいたわ。頑張れや、黒。苦労かけたな、黒。ほぼ全部の公演を、お前との二人の打ち合わせでスタートした。金も都合つけて貰った事もあったっけな。たくさん飲み込んでくれたことを、感謝している。いつかお前の知り合いに「早く彼を解放してあげたらどうですか?」と言われて、めちゃめちゃムカついた。が、あれは正しかったのかも知れんな。どうだろうか。とにかく辞めるお前達よ。俺としては、時間をかけすぎてしまって、申し訳ない限りです。人生を重ね合わせてくれたにも関わらず、いつも俺はパッとせん。そのくせ希望を捨てきれない微妙な感じの結果で、判断がさぞ難しかったろう。これからせめて、互いに良くなるように、互いが良いスピーカーになり合えるように、進んでいきましょう。長い間、どうもありがとう。

 

 

はぁ…結果ナヨッて、ヒロイックにって、女々しくなってしまいました。折角だから女々しさの究極として、最後に言い訳させておくれ。とことん恰好悪い、僕の声を。

 

 

僕はいつも「これからだ」って言うてたと思います。

死ぬまで言ってるかも知れんね。

嘘ばかりです。気持ちは嘘じゃないけど。

 

 

でも言わせてくれよ。

これからだったんだよ。

 

 

なぁお前達、これからだからな。

 

 

 

…演出過多だな(笑)でも本音。

 

 

終わり。