もはや僕がブログを更新するのはご挨拶以外に無いと推定して、タイトルに数字を増やして行く方式を取り入れだしました。主宰の山田です。

大渋滞、ご来場誠にありがとうございました。お陰さまで大盛況となりました。母が「Twitterで当日券あります当日券ありますって毎日言ってるでしょお?お母さんお客さんが入ってないんだぁ~って、スカスカなんだぁ~って心配で心配で」と言っておりましたけども。心配ないよ大盛況だったよ母ちゃん。母ちゃん、当日券はね、毎日一定数確保してあるものだからね。あと母ちゃん、観劇してくれた日に家族で行った居酒屋の料理、確かにあまり美味しくなかったけども、それを大きな声で「よしたつ、ここの料理美味しくないの。全然美味しくないの。(食べて)ほら美味しくない。(また食べて)あ、ほらまた美味しくない」と連呼するのはどうかと思うぜ母ちゃん。店員のお姉さんがぐったりしてたよ母ちゃん。いきなり脱線してしまいましたが。でも、どんな脱線も母ちゃんが絡んだ場合は、産まれた道に戻るという意味において本線だよね!いやさ、話を戻そう。

大渋滞。このタイトルね、あまり話してないけど、語感として実は、丹波哲郎さんの大霊界を意識したんですね。テーマ、というよりはテーゼ?要は命題が近いとこだったので。「死ぬと」を抜くと「どこへ行くのか?」が残りますし、「小さな生まれ変わり」の物語だと捉えていたので。そこがまた「まだ辿り着く場所、見当たらず進む~」という事にもなる訳なんですがね。まぁそれは良いとして。元々の単純動機である「渋滞のコメディやりたい」「舞台にぎっしり本物の車置きたい」との相性も良く、短いタイトルのパターンにした訳です。いかがだったでしょうか?

今回終わって、感想がいっぱいあります。まずは沢山の出会いがあった事。キャストはまぁ、毎回出会いや別れがあって然るべきでしょうが、今回はスタッフィングを大きく変えたんですね。一つ大きな出会いが、小道具の林屋さん。森さん(成田役)のご好意で紹介して下さったんですが、このクオリティは凄いですよ。さすがカンコンキンシアターの特殊小道具担当、そしてガロ(牙狼)のスーツを作ってる方です。僕がカンコンキンを観に行かせて貰った際に、関根さんが乗っていた馬鹿馬鹿しい車がありましてね。それ見た時僕、「あれいいな~。チャーミングで馬鹿だなぁ」って思ってたんですよね。その方にまさか関わって頂けるとはね。腕のあるスタッフさんと知り合う事は、そのまま公演のクオリティアップに繋がります。この出会い、今後の山田ジャパンに大きな追い風となる事間違い無しです。嬉しや嬉しや。

もうひとかた。音響の井上さんです。これは、大きな大きな、それは大きな決断でした。今まで旗揚げからずっとやって頂いてた方とお別れし、今回新たにお迎えしました。出会いも別れも等しく相まって、非常にコクのある状態で走り出した訳ですが、結果として、とても良かったなって。と言うのもね、僕がもう、その人無しでは芝居が作れないような身体になってたんですよね。バンドで言ったら、もうね、ギタリストを変えた位の感じですよ。その人の音じゃないと歌えない僕がいて。どう言うんでしょうねぇ…何とかしちゃうその人が、みたいな所があってね。そんな自分を、脆弱に感じましてね。それじゃいかんだろうと、そう感じましてね。まぁその他も諸々問題あったけど、そんなもんは瑣末な事です。電話、出なかったけど見てますかいブログ。俺の決断の本質…いや本音はそこにあるんだと思います。今までいっぱい教えてくれてありがとう。

勿論ね、お芝居って、沢山の人に依存して、共同作業として作り上げていくものです。僕は舞台監督のソマヤン、照明のジミーさん、衣装の千鶴さん、美術の奈月さん、音楽のCUTT君に依存しまくってます。でも、ちょっと半身すぎた。軸足、つまり体重は自分に乗ってないとね。だから、一歩前へ。結果はね、劇団員大野が辞めた後の崩れ方より、ずっと素早く自立した僕がいた。そんな形で成長を実感するのは変だろうか。でも、喪失の後に成長あり。っていうか、こんな書き方したら井上さんが普通の人みたいだけど、これがまた曲者の変人でしたわい(笑)。変人から変人かい!って心の中で突っ込みましたよ僕は。長く残ってるスタッフで、人格普通の人はおらんのかい?演劇界。でね、この方がまた、まずはちゃんとご自身のフォームをぶつけて下さって。そして勿論、僕の意向を組んでくれたんですね。歩き出した一歩として、とっても良い結果が出たと思います。これからまた、ぶつかったりしながら、新たな半身になって頂くのだと思います。軸足は自分にキープをしながらね。

ああ、また長くなってしまったな。誰か連載くれよ。

あとはね、劇団員ですね。新人も入り、頑張っていた。ように思う。ああ、新人って当たり前みたいに頑張るなぁって思ったよね。いや、既存のメンバーも勿論頑張ってたけどね。既存のメンバーに関しては、前の前のブログかな?で書いた問題定義を少しクリアしたんだと思う。焼けクソの二度焼きの時に書いた事。ゴールデン街劇場で、ほんの少しの人にしか観て頂けなかったけど、やった意味があったなぁって。まだまだ客演さんによる魅力の担保がでかいけども、割合は少し良くなったと思う。これもまた一歩一歩。大きな課題として、持久力の問題が出たよね。個人差はあるけど、そこに纏わり付く意識レベルの問題もまだ大きい。楽しむ権利と、苦しむ義務との交通整理だよな。ああ、まとまらなくなってきた。誰か連載くれよ。

皆がブログで言ってたけど、本当に今回も素敵な客演の面々で。大丈夫なんで休んで下さいと言ってもバラシを手伝ってくれる客演さん。うちの若手に献身的にアドバイスをくれる客演さん。僕のどす黒い静かな怒りにも屈せず、明るく楽しい現場である事をキープしてくれる客演さん。本当に感謝でいっぱいです。

纏まらなかったので、気に入ってるこれだけは言わせてよ。本当お芝居はペナントレースよね。打ち合いの試合もあれば、渋い投手戦もあり、内容良くてもスコアは負けたり、その逆もあったり、スタートダッシュ出来ても夏場は疲れが出たり、選手の故障はダイレクトにチームに響いたり。そんなこんなをしながら、勝率を上げ、最終的に優勝を目指すのです。せめてAクラスに入って次のシリーズへ向かうのです。Aクラスに入るという事は、次のシリーズに向かうという事。それは即ち、またお客さんに作品を提供する事を許される団体であるという事です。僕はこの「大渋滞」、評判等も含め、客観的に観てAクラスに入れたと思う。そうさせてくれた全ての人達に感謝です。ありがとうございました!!

最後に…僕、山田は暫く、新作を舞台に書き下ろす事を封じようかどうかを前向きに悩んでいますが、それはまた今度のご挨拶にて。何か再演を希望する作品ありますか?


山田能龍