能楽師の山田伊純です。時々、ポエマーになります。能楽師は能楽の演者のこと。伝統芸能の一つで、伝統というお冠様がある為か、お堅いイメージを持たれがち...本当はそんなことないよ、と言いたいところですが、めちゃめちゃ堅い業界です。世間様の常識は通用しないことは多々あるし、閉鎖的だし...でも目的は一つ、先人の築かれた高水準な技芸を維持すること。だから、とても浮世離れしちゃってます。


と聞くと「おれたちに能はカンケーないのか」という声が画面越しに聞こえてきそうですが、そうではありません。


能の演目、その扱う題材・テーマは、僕たち私たちの持つ人生観からそう遠く離れたものばかりではありません。能のもつ650年という長い歴史を越えて、現代人の心に直接訴えかける物語もたくさんあります。


曲目の時代背景は遥か昔のことだけれど、登場する人物たちが語る気持ちのその殆どは、共感できることばかり。ある人に恋をした話、それが報われなかった辛さや悩みだったり...。完全に恋バナです。


能の特徴のひとつ、主役には神の化身や亡霊が出てくることがとても多いです。耳を傾けてくれる者の側に現れて、神さんや亡霊の生涯で最も重要なエピソードや思い出を語っていきます。その中身は十人十色、猛々しい武勇伝だったり、壮絶な経験談、報われない境遇、親子の別れ話など...


能を見に行くきっかけの一つに、演目の内容から入る、という事が近道で王道だと思います。


僕は何とかして能を知らない方々に一度は能に触れてほしいと思っています。面白ければ続けて観ていただきたく、合わなければそれはそれで仕方ありません。


このブログをご覧になった方は是非、引き続き次回の記事もご覧ください。




さて、次回の記事では、能の演目をひとつご紹介致します。能『海人』です。主催の会で海人の主役(シテ)を勤めることになり、導かれるように海人ゆかりの地「志度寺」を訪ねました。お楽しみに。





活動・いろいろ


能楽師 有松遼一の「はじめての能! 」

〜能と『源氏物語』を、かさねて楽しむ〜 

2024年 9月14日(土)
第三回「野宮」ゲスト出演
旧三井家下鴨別邸



ワキ方の有松さんが手がける人気講座です。能の面白さを知っていただく為の企画とのこと。僕は第3回目に特別ゲストとして出演します!


満員御礼の会のためお早めのご予約をお願いします!


📹映像をまじえながら能の“味わい方”を講義

🍁四季折々の古典の名文を紹介

🎵謡の体験

🪭謡の実演鑑賞

🍵お抹茶とお菓子付き




能楽ユニットの、ゆとりのかいメンバーで「能面にまつわる話」をしました。今回は初めて能面を掛けた時の話から始まりました。続編を昨日アップしたところなので是非ご覧ください






子ども向けの夏休み企画、能楽体験教室です。8月20〜23日の4日間、能楽師と一緒に、舞ったり謡ったり、してみませんか?


会場👉五反田・池田山舞台


🙆‍♂️一般向けには、3〜8月の半年間、月2回、宝生流の謡コースor金剛流の舞コース、または両コース、能楽師から学べる期間限定の稽古体験教室です。舞コースは私が担当しております。


現在は各コース10数名参加されております。途中参加の方もいらっしゃいます。(4月から、5月からでもOK)。お気軽にどうぞ。


詳しくは👇

申し込み✏️




 舞台


⚫︎2024年4月14日

京都・金剛能楽堂 金剛定期能

仕舞「花月」シテ



⚫︎2024年5月14日

東京・神田明神 神田明神薪能

能「葵上」ツレ


⚫︎2024年6月15日

東京・国立能楽堂 潤星会

能「海人」シテ


⚫︎2024年6月22日

京都・観世会館 若手能

能「敦盛」シテ


チケットのご要望・お問い合わせ👇




ECサイト・ISUMI


ISUMIのグッズも宜しくお願い致します。ISUMI手ぬぐいは、手捺染の高級手ぬぐいです。能の演目をモチーフに制作しております。初回の手ぬぐいは「翁」は完売しました。


👇新作です!