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2本目は「金地金剛雲(銀)」の舞扇。これは現役で舞台で使用しています。


扇面の下地が金色で、金剛雲(こんごうぐも)とよばれる雲の柄(銀色)です。金剛雲の扇は、金剛流の指定扇となっています。


能楽には大きく分けて5つのチームがあり、それぞれ"〜流"と言って、はっきりグループ分けされています。それを流儀といいます。


その流儀によって、扇の指定柄というものがあります。例えば金剛流なら「金剛雲」と「九曜星」を使う、というように定められています。また原則として流儀指定柄はその流儀のもの。金剛流の金剛雲は、別の流儀の舞台では見ることがほぼ無いと言って良いでしょう。


そして、勿論これ以外の扇の柄は沢山あって、指定扇ばかり使うわけでもありません。





この舞扇、鎮扇(しづめおうぎ)とも呼ばれます。普段僕たちが腰に差しています。仕舞や舞囃子、謡を謡う時も必ず使用します。


ところが、能装束をつけて舞台に立つ際には、これは使われません。ややこしいですね!その場合は中啓(ちゅうけい)と呼ばれる、閉じても閉じ切らない扇を使います。この話はまた。。



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料紙の紙研



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