永遠の都 ローマ 中編 | ローマでお散歩

ローマでお散歩

ときどきローマ在住で、気まぐれ生活を送る私の、ガイドブックには載っていない、素敵なイタリア〈ローマ〉や
日本での生活、イタリア料理などをご紹介します。

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永遠の都ローマ   中編です。

同居人が
i still love you...
but
出会った頃のloveとは
違った形になってしまった。

だから、
少し、時間が欲しい。

そういう彼に、
時間が欲しいって、
どう言う事?

別れたいの?
もう、
他の人を探せってこと?
あなたの未来に
もう、
私は存在しないって事?

つい、
攻撃的に
質問攻めにしてしまった私。

私はあなたの彼女ですか?

帰って来た言葉は
I dont know.
I need time.

でも
僕たちは家族だ。
だから、
お姉ちャンと同じ様に
君の事は大切な存在だ。
いつも、君は僕の心のなかにいる。
ただ、、、
愛の形が
昔とは変わったのだと、、、

僕たちは
くっ付けば、
衝突が起こる。

君は僕を怒らせ、
僕は君を怒らせる。

あのジョーク以来、
湧き上がる怒りを
抑える事に
疲れてしまった。

僕にとって、
君は本当にふさわしいのだろうか??、
だから、
1人になって考える時間が欲しい。

君にはローマに
家族がいる。
パパも、お姉ちゃんも
甥っ子達も
みんな君の家族だ。
帰って来たい時には
いつ戻ってきてもいい。
何ヶ月でも好きなだけ
滞在すればいい。

ただ、今までとの
愛の形が変わっただけだ。

困った事があれば
俺が君を助ける。
その事を忘れるな、、、、

私に新しい彼氏を
探せってこと??

何度も
同じ質問をする私に、
数秒考えて、、、
maybe(たぶん)
と返事が来た。

がーん!!
あ、あ、
あたしふられてるんだ。

6年近く築き上げた
2人の関係が
maybeの一言で
崩れ落ち
涙が溢れだす。

何となくは
覚悟はしていたけれど
やはり辛い。

きっと、
僕なんかより
新しい人を探したほうが
君は幸せになれるだろう、、、


君にはいつも笑っていて欲しい。
もう、
怒った顔は見たくない。

涙。涙。涙。。。

確かに、
最近の私は
怒りっぽくなっていた。

思う様に
自分の気持ちが伝わらない
もどかしさ、、
苛立ち。。。

そして、
イラつく同居人をみて、
彼をなだめることよりも
自分の苛立ちを
発散させる事の方を
優先させて
しまっていたのかもしれない。

もう、連絡するなって事?
あなたの事を忘れろってこと?

いや、違うよ。
連絡したければ、
毎日だって連絡してこればいい。
なぜ
俺の事を忘れる必要があるんだ、、

ローマに来たければ
ここにこればいい。
俺たちは家族じゃないか、、、

涙が溢れて
言葉を詰まらせる私。
彼の言っていることも
理解が出来ず
混乱する。

僕達は上手くいかない。
でも家族だ。
だけど、
新しい彼を探せ???
寂しければ連絡して来い???

混乱する頭で、
パパの調子はどう?

少し冷静になろうと
質問したパパの事。

それがさ、
最近なんだか変な事ばかり
言い出すんだよ。
海で泳ぎたいとか

ローマ郊外の街に住もうとか、、、
あの街は海の近くだろ。
余生は海の近くで
のんびり暮らしたいみたいだな。

直ぐにあそこに家を
買ってやれたら、
パパを喜ばしてやれるけど、
直ぐの直ぐには、、、

でも、ボケボケしていたら、
パパはどんどん体調が
弱りだしてるし
間に合わない。

いっその事、
直ぐに買えなかったら
賃貸物件でもいいから、
引っ越して、
パパには、
スマート(2人乗りの車)
でも買ってやろうかな。
って思ってるよ。

でもさ、
俺が仕事に行っている時とか、
一人ぼっちに
させるのも心配だし、
街中から
20分はかかるからさ
仕事の途中に
見にいく事も ちょっと遠いしな。

そっか。
でも、まずは賃貸で
住みやすい街かどうかも分かるから
少しの間
住んでみるのもいいかもね。

私はそう答えながら、
彼の話に、
すでに、
私が存在しない事を感じ取った。

スマートは
2人乗りだから
私が今まで反対していた車。

同居人とパパと私の3人では
乗れない。
大きなスーツケースも
乗せる事ができないので
空港に迎えに来る事も
出来ないからだ。

少し前、
同居人が言った言葉を急に思い出す。

ガキが出来たらさ、
公園でサッカーもできるし。。。

俺には
甥っ子達がいるから
子供なんていなくてもいい。
出会った頃には
そう言っていた同居人も
6年近くの月日が流れ
彼の気持ちに
きっと、変化が生まれたと
私は感じた。

彼は若い。
確かに、
彼の将来のためには、
いつも彼を怒らせてばかりいる
10歳年上の私より

若くて
彼の事を
もっと理解してあげれる
イタリア人の女の子のほうが良いだろう。

彼が思い描く
プールと庭と
バーベキューのできる家には
笑顔に
走り回る犬に
ガキが。。。。。。
いた方がいい。

一生懸命に
自分に言い聞かせ
彼の気持ちを受け止めるべきだ、、、

私は自由人。
いつか
そんな日が来るかもしれないと
出会った頃から
分かっていたでしょ!

嫌。イヤ。
ここで簡単に   「うん」
と言ってしまったら、
恋人もいない
家族もいない
仕事もしていない
希望や楽しみもない
ただの寂しい
おばさんに戻ってしまう。

そんなの
絶対にイヤだ。
あの、
どん底で寂しい生活に
もう戻りたくない。

ローマでお散歩する事が
私の今の生きがいじゃん。

今ならまだ間に合うかも。
目の前のカメラに彼の顔が
写っているうちに、
謝れ。許してもらえ。
これから、
もう、怒ったりもしない。
私、変わるように努力するから
お願いだから
私を見捨てないで、、、、

いろんな思いが
頭の中を駆け巡り
涙があふれて
つぎからつぎえと流れてくる。

返す言葉に詰まる私に、
辛くなるから
泣かないでくれという
同居人。

辛くなるなら、
なんで、なんで、なんで、、、
なんでこんな悲しい選択を
しないといけないの?


➡︎永遠の都 ローマ 後編につづく

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