有機栽培、地方では企業も動き始めました。なんともその動きが早いのです。
因島鉄工(株)さんから昨年10月「従業員は家族です、全ての従業員に勤務中に食の安全を守る人々の映画を見ていただきたいのです」
と呼ばれて広島県の因島に初めて伺いました。
その夜お酒を酌み交わしながら、宮地秀樹社長、専務の宮地候子さんに、島の耕作放棄地を利用し従業員家族のために有機栽培での因鉄ファームを始めませんかとお勧めしたのです。
それが今年の4月には本当に農業生産法人を設立して農地を1.2ヘクタール借り、サツマイモの紅はるかの苗7000本植え付けたのです。
左側は雑草を抜き取ったところ。右側はこれから雑草を除去するところです
因島小学校の1年生 2年生も、それぞれに 2本ずつ苗を植えてもらったそうです。
子ども達が自分の植えた苗にそれぞれが名前をつけたものです
せっかく植えたのに旱魃が続き苗が枯れそうになって、宮地専務は毎朝5時に起きて10時頃までイモ畑の水やりで大変だったそうです。
7000本の苗を植えたサツマイモ畑
手前のホースは台風7号が来る前の旱魃の時に朝夕水やりをしたものです
台風7号の雨に救われたそうですが、今も早朝から毎日先頭に立って草取りに専念しているようです。
それに、芋だけでなく放棄されていたハウス6棟借りてメロンの有機栽培に取り組んだのです。
メロンは果樹の中でも最も農薬を使う栽培だと思っていたので心配していましたが、農薬や化学肥料を一切使わず病害虫には天敵なダニをハウス内に放つなどして、8月には糖度 17度の立派なメロンを200個ほど収穫できたそうです。
刷毛で一つずつ受粉しているところ
メロンの害虫を駆除するために天敵のダニを入れたところ
さすがに経営者です。
8月9日には地元紙も取り上げざるを得ないような「メロン祭」を開催して完売されたようです。
私も新品種ムーンライトの2期目のハウス栽培を見せていただきましたが、虫があちこちにいて、面白かったのは地を這わせての栽培では蟻が受粉 (交配)に一役かっていたことです。
他にも大豆が植えられていて、これからジャガイモを植え付ける予定とか。
張り切っています。
因島鉄工の皆さんのこれまでの農業者には見られない新しい感覚で大胆に取り組んでいる姿勢に圧倒されました。