かつて、日本でも20万人の人達が信仰を守る為に死を選らんだ。
余りにもの迫害に生きることを選らんだ人達は、神宗、仏教を装いながら、
隠れキリシタンとして、300年もの間秘かに、この島で信仰を守ってきた。
私もこの島、五島に生まれて育ってきたので、大概のことは知っていると思っていたが、
初めての体験に恥じ入り、そして深く感動した。
知人に連れられて、車に乗ること30分、福江島の山奥、
「まさかこんな所に」と思われる山の中にポツリポツリと家がある。
そのうちに小さな一軒家に「教会が有ります」と案内された。普通の民家だ。
よく見ると玄関に十字架が掛けられてある。
恐る恐る玄関を開けると、中は、塵ひとつなく掃き捨て清められ、
中央に祭壇が祀られた立派な礼拝堂だ。
私は跪いて礼拝した。
入り口の所にこの教会を訪れた人の手記が残されていた。
そこには
「祖父がこの近くから子抱観音像を掘り出しました。
後で知ったがマリア観音像だったのでは」
と書かれている。
私はかつて信仰をどんな形であれ、守り抜いた人達を、
かつてないほど身近に感ずることができた。
時代が変わり、改めてどんな形であれ自らも信心、
信念を貫いて生きねばならないと強く感じた。
今年もイエスキリストの生誕を祝うことができることに感謝。