苫小牧、ウィンザーホテルの朝は素晴らしかった。晴天で空気も山々の景観も澄み切っている。眼下は洞爺湖、朝霧が湧いて白い雲海が一面に漂い湖の中ノ島の影が幻想的に浮かび上がる。

朝食を鳩山由紀夫幹事長、菅直人代表代行と3人でいただいた。イタリアンの朝食、中でもパンが美味しかった。

今日、一日苫小牧、伊達市など農林水産業の視察、車座の懇談会の予定がびっしりと詰まっている。

私は車椅子と松葉杖、皆でバスで移動した。北海道はさすがに「北の大地」広々として農地のスケールも大きい。日高で軽種馬の産地は始めて見せていただいたが、牧草地の緑、牧草はがすべて刈り込まれていて素晴らしい景観だ。狭い離島での畜産に悪戦苦闘した私にとって羨ましい限りだった。

ところで、競馬、競輪等の売り上げがかつての半分に落ち込み、話しには聞いていたが、年々厳しい経営を強いられていた。すでに肉牛経営への転換が図られていたが、これまでの債務の整理に困っていた。個人の民事再生を農林水産業にも使いやすくして、債務の大幅カットを図らねばならないことを再認識した。肉牛だったら私の専門、話は弾んだ。

苫小牧漁協では急な階段を松葉杖で上がるのに、ずいぶんと手間取ったが、鳩山幹事長に車椅子を押してもらって感動。

漁協の組合長の話ではホッキ貝の資源を大事にして資源量の4%しか採らないと聞いて感心した。また河川工事、ダムがホタテなど深刻な害を及ぼしていることを切々と訴えられ、菅代表代行が丁寧に答えられた。車座の集会も面白かった。

早いものですっかり夕暮れ、大きな太陽がゆっくりと北の大地に沈みこむ中を私たちは千歳空港に急いだ。