子供の教育問題で私には忘れることができない感動的な話がある。

1年ほど前になるだろうか。長野県真田町の教育委員長大塚貢先生のお話だ。

私が住んでいた長崎市で2年前に屋上から種元駿ちゃんが突き落とされて殺された事件、佐世保市の大久保小学校でも、御手洗怜美ちやんガ同じ小学校6年生の友達に殺されてしまった痛ましい事件、いずれもマスコミでずいぶんと騒がれた。

私が県選出の衆議員であることから、長崎県から5センチはあろうかと思われる「報告書」をいただいて、パラパラと目を通したが、パソコンの利用者がどれくらいいるなど常識的な分析だけでなんの感動も受けなかった。

大塚先生は大変な先生で、さかきばらせいと事件、子供の首が校門に掲げられいた神戸の友が丘中学校から、長崎の西浦上小学校、佐世保の大久保小学校と問題の学校には必ず出かけていって、写真を撮りその原因を話していただいた。

どの学校にも共通していたのは校庭に、緑、花が見当たらず、プランターはあっても枯れた花がそのままにされているだけだった。

大塚先生が、自ら教育委員長をしている真田町の学校では、児童一人一人が土つくりから、種をまき苗を育てていつも花一杯にしている写真を見せていただいた。

かつて、クラブの部室にはタバコの吸殻で一杯だった荒れた学校もいつしか、穏やかな学校に変わって行ったと言う。美しいものを美しいと思える心を養うこと、それが子供の凶悪犯罪をなくすことにつながる。「倉庫」みたいな無機質な学校そのものが犯罪少年の温床だと熱っぽく語られた。

さらに真田町では、驚くことには平成14年から、学校給食を週5日、完全和食に切り替えた。地産地消の食材、ことに小魚などを用いてミネラル、カルシュウムを摂取させることに努めたら、「切れる」子供がいなくなって「アトピー症」も半減したそうだ。

凄い。

私は学校給食を完全和食にするなど、食材を地産地消にするなどできるはずが無いと思い込んでいた。かつて、長崎で伊良林小学校のPTAの会長をしているころ、畑を借りて学校農園を取り組んだことがあった。当時は有機農業がはしりのころで、学校給食も、有機栽培、地産地消の食材でできないものか、学校、教育委員会と話したことがあっが、いろいろな「しがらみ」があって、とても受け入れられるよう状況ではなかった。

突然、私に大畠代議士から「教育基本法」の審議をしている特別委員会で「農業と教育」のことで質問に立ってほしいと連絡があった。

私は迷うことなく、大塚先生に成り代わって、「美しいものを美しいと思える心」について6月8日、熱弁を振るった。詳細は私のHPの国会議事録を見ていただきたい。

本会議の後、エレベーターで羽田孜先生から「山田さん、よかったよ」と言われて、嬉しかった。