島の朝は早い。
4時半に起きて波止場で向かった。まだ薄暗い朝もやの中をまき網船の灯が港の中に滑り込んでくる。青と白の船体が次第に浮き彫りになって、船上でせわしく動いている人影が露わになる。
今朝は参議院選挙が始まって5日目、候補者の大久保ゆきしげ君、犬塚直史参議院議員と連れ立って五島、奈留島でまき網船の入港まで迎えに来たのだ。
「お早うございます」「漁はいかがでしたか」・・・・次々に乗組員の皆さんに挨拶をする。
手を振って「頑張れよ」といってくれる船員さんもいれば、下を向いたままで返事すらしてくれない人もいる。
いつも選挙の度に繰り返される風景である。
カネモ水産の船着場にもでかけた。丁度、ぶりの出荷を見せていただいたが、網から上げられてバタバタ跳ねているぶりに、一撃で「殺し」を入れて、そのまま血を抜いて、エアガンで背骨の神経を抜く作業を一匹づつ手際よく行っている。
話には、魚の背骨にある神経を抜いて出荷すれば、死後硬直が起こらずに新鮮なままで出荷できると聞いていたが、私も見るのは初めてで面白かった。
60センチはあるぶりの尾の部分を半分切ると背骨の管が見える。そこにエアガンの先を入れてシュッと圧縮空気を入れると、口、えらから白いミミズほどの大きさの神経が出てくる。
どこかで見たことがある。そうだ。BSE問題で芝浦や米国で見た屠場での背骨から髄を抜き取る作業と同じである。
早朝から忙しい漁師村でのあいさつ回りを繰り返しているうちに
「ほら、もっていけよ」とビニール袋一杯に、まだ生きている「ヤリイカ」をいただいて旅館に戻って、そのまま刺身にしていただき、遅い朝食に一緒にいただいた。
美味い。甘みとやわらかい歯ごたえ、なんともいえない美味しさである。
参議院選挙もいよいよ中盤戦、民主党が勝てるかどうかは、農漁村の票のいくえにかかっている。