先週、フジテレビのBS放送プライムニュースの生番組で農政を語らせていただいた。
千葉県で100ヘクタールの水田を耕作している染谷さんと「産直」のアドバイザーとして有名な田中満さんとの座談会だ。
面白かった。
司会の反町さんと八木アナウンサーが
「政権交代して、農業政策はどのように変わりますか」と聞いてくる。
私も思いのたけを語らせていただいた。
私のホームページに動画で収録しているので見ていただきたい。

22年度予算の概算請求が佳境を迎えてきた。
先ずは何百もある、こまごました補助金を、できるだけまとめて整理したい。
おそらく農水省の課長といえども、そのすべてを知っている人は誰もいない。
今回は概算の請求を10月15日までと、1週間しかないので、ゼロペースから組み替えると言っても、8月までに自民党政権のもとに整えられた概算要求をもとに、手直しするしかない。
できるだけ使いやすくシンプルにすることにしたい。
今、すでに予算の概算請求のヒアリングを連日、カンヅメ状態で受けているが、農水省は生産局など5局と、水産、林野の2庁に分かれている。
それぞれに縦割りになっていて、リース事業とか私たち民主党がマニフェストにうたった6次産業のための補助金などを、それぞれに名前を違えて請求している。
その一つ一つに詳しく内容を聞いていくと、同じものがいくつも重なっている。
「駄目だ、駄目だ。局長こんな予算は絶対認められない」
つい私も大声を張り上げる。
局長も顔色を変えて、必死でその必要なことを訴えてくる。激しいやり取りになる。
「副大臣、我々役人にとって予算は命です」
ぐさりと私の胸に刺さった。
延々と連日、数時間もヒアリングを続ける。
金曜日は朝の9時半から、終わったのは夜の10時前だったろうか。
くたくたになった。
政治主導はまさに体力勝負の様相になってきた。
「こんな補助金は、一切なくしてしまって、戸別所得補償と無担保無保証の低利融資制度にしようではないか」
段々熱を帯びて、私も何度も何度も過激な発言を繰り返す。
佐々木政務官、舟山政務官も負けてはいない。それぞれに語りだす。
「まーまー、これは実際には・・・・・・」
私の相方の温厚な郡司副大臣が、バランスの取れた配慮をしてくれる。
「これは赤松大臣の判断を仰ごうではないか」
息の合った「農水大臣チーム」である。

私も若いころ補助金をもらって牧場を開いたが、補助金をいただくには分厚い申請の書類を、市役所、県の支所、県庁、九州農政局分、本省分と5冊も用意しなければならなかった。
しかも、牛舎を作るにしても設計上にもいろいろな規制があった。
結局、お金を借りて、電柱など古材で牛舎を立てたほうが、よほど安くついた。
今、農家、漁師にしてもお金を借りたくても、担保になる価値のあるものが無い。
保証人をお願いするにしても、そのような人がいない。
むしろ、無担保、無保証の低利、長期の融資を、農協系列だけでなく、信用組合、金庫ででも融資ができるようにすれば、自立を図っていける。
農漁業を続けていくことができる。
さらに大切なことは、農漁業はどうしても天候に大きく左右されて価格が変動する。
安い輸入品に押されて価格も10年前の半値ということもざらだ。
さらに飼・肥料代、燃費の高騰などでコストも高騰してきて、恒常的に販売価格よりも生産費が高くついて、若い人は農業を離れてしまい、今や65歳以上の高齢者が61%にもなって農業が細々と続けられている。
やはり、国が責任を持って、農漁業が持続できるように、欧米諸国並みの「戸別所得補償」
は必要である。

今度の概算請求で戸別所得補償のモデル事業を是非実現したい。
無担保、無保証の融資制度の頭だしだけでもしたい。