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人間ドックに、徳州会の葉山ハートセンター病院に一泊でかかることにした。
昨年は骨折以来、半年近くの車椅子の生活で、元気になっても足をかばって歩かなかったら、ぶくぶくと太ってしまった。
皆に「大丈夫か」と心配されて私も気になり、よく考えるとこのところ背中から腰の辺りが、妙に痛い。この際思い切って身体すべての検査を本格的に受けることにした。
阿部知子先生の勧めもあって、葉山ハートセンター病院に入ることにした。
幸い、6年前の腎臓移植に注意をするだけで、さほどのことは何もなかった。
医学の進歩は本当に目覚しい。
内視鏡で、大腸に小さなポリーブがひとつ見つかったが、テレビカメラで、私も見せていただきながら、医師が「どうしますか」と聞く。私も即座に「切ってください」と答えて、悪質なものではなく、それで終わった。
背中が痛いと思っていたのは、実は腰痛だとわかって、皆に「背中も腰もわからないのか」とさんざん笑われた。
腰痛も運動不足だと知らされて、夜中に後ろ歩きを続けたら、2,3日で治ってしまった。
それよりこの病院で徳田虎雄理事長にお目にかかって、1時間ほど話することができた。
驚いた。
半年前、ブログで徳田さんのすざまじい、魂魄で生き抜いているさまを紹介したが、それどころではない。
進行性のALSという病気で、本来ならば、本人も笑いながら語っているように死んでいるはずなのが、車椅子に座ったままで、しかも気管支を切断しているので、筆談でその意思を伝えながら、ブルガリアのソフイヤに1030床の病院を開業している。
たまたま私が話しているうちに、ブルガリアから麻酔科の医師と心臓外科の医師2人が来て面談を始めた。
徳田さんの手元には、昨日までのソフイヤ病院の入院患者、新患の細かい数字が書き込まれた資料を手にしている。
こともなげに、ソフイヤに新たにケンブリッジ大学(英国)との徳田、ケンブリッジ看護大学院設立の打ち合わせをしている。
何でも、アフリカのチュジニアでも一昨日、新しい徳州会病院の地鎮祭を行ったばかりだと言う。ブラジルなど世界十数カ国に、これから病院を開設していくと笑っている。
病床にいながら、国内でも次々に成田など新しい病院を既に十数か所開設しているが、茅ヶ崎病院の医師が見えて
「古い病院はどうしましょうか」と聞くと、「残しましょう」と指示している。
側で、話を聞いているうちに恥ずかしくなった。
私なぞ、「このところ体調が悪い」などと気にして、「人間ドッグ」で一喜一憂しているのに、徳田さんは、普通ならば生きているだけの重病なのに、世界に向けて、次々に仕事を展開している。
私もすっかり、元気をもらった。
これから頑張らなくては。

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