政権交代。
私も農水省副大臣として1ヵ月半が過ぎようとしている。
毎日が時間に追われて慌しかった。
それでも、長い間、民主党で仲間と議論を重ねてきた農業戸別所得補償の実現に向けて大きく動き出している。
いろいろなことがあった。

産経新聞の10月22日の一面トップ記事にいきなり私のことが書かれてあったのには驚いた。

15日の概算要求締め切りを目前に控えた東京・霞ヶ関。農林水産省3階の第1特別会議室では、副大臣の山田正彦の怒号が響きわたっていた。
「だめだ、だめだ! 局長、こんな予算は絶対に認められない」

そのようなこともあった。
誰かにもそう言われたが、連日吼えまくってきた。
喧々諤々役人に吼え、聞いているうちに相手の言い分もわかってきて、なんとなく相手の人間性がわかってくる。
少しずつだがお互いに認め合い、納得していく。
官僚はさすがに頭がいい。
ガンと方向を示すと、納得できたらその方向に動き出す。
部下にも
「山田副大臣がそういっているのだから・・・・・・・・」
と、納得させていく。

天野礼子さんが「山おやじ3号」ニュースレターに面白い記事を書いてくれた。
紹介したい。

「Yes,We Can!が現実になった」
「林野庁長官、来年度の予算は“所有者取りまとめ”と“作業道づくり”、この2本をやる。そして森林組合がこれに集中して取り組まざるを得ないように、他の予算はつくらない、これで行くから、いいね」。
10月6日、民主党の山田正彦氏が農水副大臣になられてから初めての面会に、すでに「国家戦略室」のメンバーとして動き出している 梶山恵司さんと私がゆくと、話し出して5分程で島田泰助林野庁長官を呼ばれ、いきなり上記の発言を山田大臣が発せられました。
島田さんはまん丸な目をいっそう丸くされ、まず絶句。次に「私の部下たちがどのように対応できますか・・・・」とおっしゃるのが精一杯の感じ。
私たち二人も驚いて、声がでません。
「君の部下は、僕の部下だろ。林野庁の幹部を明日の昼食時に悪いけど、12時半に集めてくれ。僕が菅直人副総理・国家戦略大臣と相談の上でこのことを決めていると皆に認識してもらうように話をするよ」。

“政権交代”とは、こんな場面の誕生を可能にするものだったのですね。
それにしても、山田正彦氏は感がいい。湯浅さんや梶山さんがいつもおっしゃっていた、「温暖化防止の切捨て間伐、あんな甘い公共事業があるから、森林組合が“取りまとめ”や“作業道”に取組まない。あの予算や他の予算も切っちゃえばいいんだ」という、およそ実現不可能と思える雑談をまるで聞いていたかのように吸い上げていらっしゃるのです。