宮崎にトンボ帰りして、間もなく菅総理から直接電話をいただいた。
「山田さん、農水大臣を、引き受けて欲しい・・・・」
一瞬、私の気持ちは大きく揺れた。正直、事前にも新聞記者、テレビ局から電話の問い合わせが殺到していたので、もしかしたらといった気持ちもあった。
しかし、何しろ口蹄疫感染が猛威を振るっている最中だ。
赤松大臣も、結果としての口蹄疫感染拡大の責任を取って、自ら大臣再任を辞退した。
ましては畜産問題の専門家だと自負していた私の責任は赤松大臣以上に重い。
今回は私も辞任しなければならないところだろう・・・そう覚悟していた矢先の話だった。
私の心中は、できれば現地対策本部長として、引き続き副大臣を続けさせてもらえれば有難い。
いろいろな思いはあったが、
「・・・・・・・・ハイ、引き受けさせていただきます」
と返事した。
考えれば、大変なことになった。念願の農水大臣ではあるが、前政権時代から鬼門の農水大臣のポストでもある。難問が山積している。
先ずは口蹄疫の終息を急がねばならない。IWCでの捕鯨の問題、戸別所得補償も本格実施に向けてこれからだ。
ずっしりとその責任は重い。身の引き締まる緊張を覚える。