対馬に快男児がいる。武末泰雄。晴れた日には韓国が見える国境の町に住んでいる。今年対馬沖日露開戦100周年の行事を一人で企画して、とうとう日本の海上自衛艦もロシア大使も呼んで日本海海戦の現場海域での合同慰霊祭、さらに東郷平八郎提督が佐世保海軍病院に敵将ステッセル提督を見舞う有名な場面を日本一のレリーフ(4000万円はかかっている)完成させてしまった。見事なものだ。今も、イヌワシのつがいが巣くっている岬の突端に打ち寄せる波に静かにたたずんでいることだろう。その武末君と上五島有川の中村さんの自宅で、きれいな奥さんの手つくりの料理で飲み明かした。有川は昔から鯨で栄えた町。新鮮な鯨はことにうまかった。まだ若い中村さんも武末君に勝るとも劣らない快男児だ。男の酒はうまい。