"大村湾の三浦の港、2,3トンの小さな漁船をつなげばいっぱいになる。久しぶりに浜口さんとお会いした。「漁はいかがでしたか」「いいたこが少しばかり」いつもの温和な顔をほころばせながら船を寄せる。少しばかり今年から取り組んでいるナマコの資源回復事業の話をする。「漁期を11月から前倒しにできないか、水産庁と話しているところです」「できればそのほうがいいですね。それでも漁期を縮めたので、1割は価格が上がりましたよ」浜口さんはどんなときでも愚痴をこぼさない。そして、5センチほどのヒトデを籠に入れて船から下りてきて、船つなぎ場のセメントの上に丁寧に広げ始める。こうしてウニとかナマコの害になるヒトデを駆除しているのだ。「干してどうするんですか」「ええ、畑の肥やしにするんですよ、もう今の若い人はしなくなりましたがね」年老いた漁師さんはたった一人でも、こつこつと海の掃除を続けている。"