新50ポンド紙幣に“AIの父”採用 英中銀が発表、21年末までに流通へ
英中央銀行イングランド銀行(BOE)は15日、新たな50ポンド紙幣に英数学者のアラン・チューリングを採用すると発表した。現代のコンピューター科学につながる業績を生み“人工知能(AI)の父”とも言われる。2021年末までに流通が始まる見通しだ。
引用元:産経ニュース
…日本では渋沢栄一が話題だが、イギリスも新紙幣に替えるとかで、まさかのアラン・チューリングとは驚きである。
候補には先年亡くなったばかりのホーキング博士や、ポール・ディラックの名前が挙がったそうだが、それを抑えてチューリングとは渋い。
まぁ、私自身チューリングの話題を本ブログで取り上げたことがあるが、こちらのエントリーも参照していただければ判ると思うが、この人の影響力たるや、下手したらアインシュタインをも凌ぐのではないかというくらい、多方面に影響を残している。
その最たるものが『エニグマ解読』なのだが、この経験が”チューリングマシン”の構想に繋がり、今のコンピュータに発展してゆくのである。
その応用で、現代論理哲学にも大きな影響を残しており、ヴィトゲンシュタインが築き、ゲーデルが作った道をチューリングが舗装した…と評してもあながち的外れではあるまい(正確にはチューリングが残した理論を応用して現代論理哲学の研究を深めたというべきではあろうが)
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この辺りの解説はこの本が体系的なのでそちらに譲るが、要は『ある公理系を作る』という作業を現実に応用したらコンピューターになった、と考えれば、おおよそ間違いないと思う。
そのオマケというか、その発展の過程で色々な天才が歴史を彩るのだが、天才だけに変な人も多くて、その中の一人にドナルド・クヌースという人が居るのだが、この人、自分が書いた数学の教科書の組版が気に入らなくて、とうとう自分で教科書を印刷するプログラムを開発してしまった。
そのプログラムはTeX(テフと読むらしい)というのだが、このソフト、なんとフリーで入手できるのだ。
詳しくはちょっと古いがUbuntu道場で説明しているのでそちらを読んで欲しいのだが(あっ、ハリセンだけは勘弁w)
コンピュータの発達のおかげで、こういう事も出来るようになり職人技で作っているような出版物が一般人でも作れるようになったといういい時代。
その基盤を作った人が紙幣になるというのは、時代の象徴でもあるのだろうなと…
ただ、光があれば又闇もあって、チューリングは同性愛者だった…という説がある。
これが晩年の悲劇に繋がるのだが、事の真相は闇の中なのも事実。