ついに準天頂衛星『みちびき』リフトオフ。
どうやら軌道投入も成功したようでなにより。

それにしても、我が国もここまでのロケットを作るまでになった事に、改めて感心する。

現用H-2Aは、旧西側現用ロケットでは欧州アリアンと並んで最強クラスの液酸液水ロケット。
これより強力なのはスペースシャトルを除けば、あの(アポロ計画で使われた)サターンしかないのだ。

ここのところ、『イカロス』、『あかつき』など、話題の多い計画が続いた後なので、今回の『みちびき』はいささか地味な扱いのようにも思えるが、この衛星の成果によっては、日本の公共交通インフラに大きな変化をもたらすかも知れない。

航空機やカーナビへの影響は皆気になるところだろうが、私が是非注目してほしいのは鉄道への影響だ。
というのは、鉄道にはATS-Pに代表される安全の為の自動運転制御装置が色々導入されているが、こういう大がかりなものは地方線、あるいは中小私鉄には導入しにくい、という難点がある。
それを、準天頂衛星のからの位置データーを無線でやり取りすることで代用できないか、という意見がある。
今までみたいに誤差10mだと、自動制御では下手するとプラットホームをはみ出しかねないが、1m以内なら…ということで、JR総研は今からwktkして運用開始を待っているのではないだろうか。

ともあれ、我が国の交通技術史に新たな1ページが刻まれようとしている。
10年後、どんな風になっているのだろうかねえ…

余談。
とはいえ、H-2Aにしても、アリアンにしても、サターン、スペースシャトルにしても、元の原理となる技術はナチス・ドイツの遺産だったりするんだよねえ…

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これに、現代のロケットエンジンの基礎となった技術について書いてある。もっとも、ドイツすげえ!を強調した記述はいささか引く面はあるけども。
Me163自体はあだ花としか言いようのない飛行機だったが…