いよいよ三橋さんの日経連載も佳境ですなあ。

とはいえ公共事業=悪の図式はぬぐい難い面はある。


大規模事業を巡って繰り返された汚職、談合。
また道路等を作ったら、今までなかった災害が起きた、なんてのもある。

何年か前、長野県西部で起きた地震は、ダムのせいだという説がある。
その説では、ダムが抱えた水圧の為に、地盤にかかる圧力分布が変わり、それが引き金になったと。

近くは諫早湾の問題がある。
これは皆も承知だろうが、漁民の反対を押し切った結果、ノリ漁業が壊滅した。

需要創出は大事だし、今すぐ起こさねばならない行動だが、こういった事があると、皆必要性は理解しつつも、こんな事はヤダ、となるのもそれは人情として理解できる。

だから、この先の公共事業はそういったリスクがある新規事業より、既存の設備の近代化改修に力点を置かざるを得ない。
それに、三橋さんも指摘しているが、高度成長期に作った施設の寿命が近づいている。
阪神大震災でも実証されたが、古い建物はどうしても不慮の災害に弱い。
東名高速や首都高、新幹線の高架。
これらを最新の技術で改修する、場合によっては移設する。
こういった事業に乗り出すだけで完全に数兆円オーダーの話になる。

又、スマートグリッドの話もあるが、日本の場合、むしろマグネシウム発電を利用した小型コージェネシステムを開発した方がいいかもしれない。


意外なところでは量子暗号の実用化も面白いかも。日本は世界一光ファイバー回線が普及しており、都合のいいことに、そのシステムの多くは量子暗号に流用可能とされている。
しかも量子暗号は盗聴不能なのだ。

公共事業反対論者もこういう新技術を導入する、と言ったら流石に黙るだろうね。

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