問題解決スキルを強化するためにはいろんな方策があります。

問題解決をするときの思考方法としては大きく言って3つあります。

まずは帰納法、そして演繹法、そしてもう一つが仮説推論法です。

 

帰納法は、ご存知のように複数の事実から共通点を抽出して結論を見つける思考法です。これは科学の分野でよく使われるもので、与えられたすべての事実が説明できる法則を見つけ出すやり方になります。「人は死ぬ、犬も死ぬ、馬も死ぬ、だから哺乳類は死ぬ」というものです。

演繹法は、前提となる事象を一般的な法則に当てはめて結論を導き出す方法です。いわゆる三段論法の考え方です。これは「法則がわかっている」という前提があります。「人は死ぬ、プラトンは人だ、だから、プラトンは死ぬ」というものです。

そして、これから大切になってくるのは「仮説推論法」です。これは起きている現象をうまく説明できるような仮説を立てて、それを検証していくやり方になります。これは、目の前の現象をどう捉えるかで、出てくる仮説はいろいろなものがあるので、結論は多種多様となります。先の帰納法や演繹法においては答えは1つになってきますが、この仮説推論法では考え方によって多彩な答えが出てくることになります。へ

この仮説推論法のやり方は、(1)起きている現象をしっかりと認識する、これは現状把握のやり方になります、(2)その現象を説明できそうな法則を当てはめて仮説を立てる、ここでどれだけの法則を思いつかで、答えの多様性の幅が決まります、(3)立てた仮説を検証していく、となります。

 

仮説推論法はどんな時に使うのかを考えてみますと、試行錯誤をしていて、ある時良い結果が出たとした場合、なぜ良い結果が出たのかそれを突きとめて根本的な対策を取るときに有効になってきます。

例えば、製造ラインの不良対策を思いつくまま色々とやっていたとします。その活動の中で或る時に急に不良が減ったとします。なぜ不良が減ったのかを考えていくときに仮説推論法を使います。不良が減った時、有効な対策案をどれに仮定するかでその後の検証結果は変わります。

例えば、室温を変えたことに注目し温度管理が問題だったという仮説を立てるとその後は温度管理をどのようにするのかを考えていくということにもなりますし、人がやっていた工程をロボットに変えたということに注目すればヒューマンエラーが問題だったと言う仮説になります。このように現象をどのように捉えるのかによって導き出される仮説が変わってきます。

どんな対策をとっても必ずそれがベストと言う事はないのが現状です。そのためにはどれだけの仮説が立てられるのかというのが重要になってきます。

この仮説推論法を有効に使おうとするには、最初の帰納法や演繹法が十分に使えるスキルがあるというのが前提です。

そして、どの考え方においても重要なのは、頭を柔軟にしているということが大切になります。過去の経験にとらわれるのではなく、いろいろな可能性を考えながら考えていくということがやはり問題解決に対して重要な考え方になります。

 

キーワードは「頭を柔軟に」です。

 

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  山田茂樹   メール ooshukubai@hotmail.com