◎日光中禅寺の愛染さま、思い出小噺

愛染明王は私の守護仏の一尊ですが、愛染さんって言うと恋愛や良縁にご利益がある仏さまで有名ですね。

しかし別名「離愛金剛」と言って愛=執着を離れるって功徳もあるんです。

私が愛染さまを拝むようになったのは加行本尊の一尊だったからって単純な理由だけでなく、知れば知るほど日本密教を体現してる仏だなと私の密教理解が進むほどに確信して行ったから。

しかし祈願って難しいもんです。

で、今日は愛染さまにまつわる思い出話を1つ。

加行(密教行者として一人前になるための修行)が終わって友人たちと日光の中禅寺にお参りに行った時に、それまで年下の彼女としか付き合ったことがなかったので軽い気持ちで愛染さまにお願いしました。

(日光中禅寺の山門を入ると右手に見えて来ます)



「年上で美人で優しい彼女を下さい」

はい、その通りの彼女が出来ました。

それも二十代も歳の離れた彼女が…

なんやかやで別れましたが、それを師匠に言ったら

「バカめ!願った通りになったんだから良かったじゃないか!せっかく愛染さんが縁を付けてくれたのにお前が蹴ったんだ!」

「いや、さすがに二十代も離れてるとは…」

「いいか、神仏と人間は価値観が違うんだよ。年上って言うから年上にしてくれたんだろーが!」

「じゃどーすれば…」

「お願いをする時は細かく言いなさい」

と言う訳で、それからしばらくして中禅寺にお参りに行く機会があったので今度は細かく愛染さまにお願いしました。

(直接拝することが出来るので有難いですね)



「あまり年の離れてないぐらいの年下で、可愛くて今風の感じで…etc」

はい、その通りの彼女が出来ました。

その当時流行ったコギャルでした(^^)

しかし、あまりにもワガママだったんで別れてしまいました。

それを師匠に話したら

「バカめ!願った通りになったんだから良かったじゃないか!せっかく愛染さんが縁を付けてくれたのにお前が蹴ったんだ!」

「いやでもあそこまでワガママだとは…」

「いいか、神仏と人間は価値観が違うんだよ。神仏からしたらワガママのうちに入らないかもしれないじゃないか!」

「じゃどーすれば…」

「お願いをする時は細かく言いなさい」

と言う訳で、今度こそ!と言う思いで細かくリストまで作成して愛染さまにお願いに行きました。

が、しばらくしても出来ません。

それを師匠に話したら

「バカめ!あったりめーだよ!こんな完璧な人間いるか!」

お後がよろしいようで(^^)