つづき


そして度重なる経済失策や産業革命で深刻なる格差が生じ、それによって生み出された「児童労働」で僅か四・五歳位から労働力として売られ、女子は十四・五歳位になると劣悪な環境に女工や女郎屋に出され命を削るように働かされた。


悲話「おしん」や「あゝ野麦峠」などで涙を流された方も多いと思うが、これらは「昭和の闇」ではなく「明治の闇」なのである。


童謡「赤とんぼ」に出てくる「守り子」と呼ばれる「ねえや」たちが、母恋し父恋しと涙を流して自らの理不尽な境遇を唄った「守り子唄」が大量に出来たのもこの時代の産物である。


それは戦後まで続くわけだが、江戸時代の「丁稚奉公」や「遊郭」と質・内容ともにまったく違う。


即ち明治新政府が作り出した大日本帝国は多くの子供たち、そして女性たちの犠牲と涙によって成り立っていた一面があることも忘れてはならない。


この様に考えてくると、我が国が世界に誇れる様々なアイディンティティーを破壊したところに成り立つ「明治維新」とはいったい何だったのか?



いまだに坂本龍馬を英雄視したり「明治維新」を賛美する「明治礼賛」が続いてるがその本質は左翼史観である。


左翼史観にも様々あり自虐史観だけではない。

共産主義思想に基づいた「階級闘争史観」がその本流である。

即ち幕府をブルジョワジー、下級武士たちをプロレタリアートとして「階級闘争」に見立ててるのである。

これは進歩的文化人(左翼)らがフランス革命ロシア革命・支那の文化大革命を絶賛しているのとまったく同じ構造である。


このような論調では真実は見えてこない。


だから先ず明治の廃仏毀釈によって我が国が何を失ったかを知るべきであろう。


そうすれば我が国の本当の歴史や伝統(しきたり・ならわし)文化が分かる。


何を「保守」すべきかが分かってくると思う。


そしてこの「明治の闇」に光をあててこそ「昭和の闇」、そして現在の混乱が見えてくる。



以上、私の稚拙な記述でどこまで伝えられたか心配であるが、「明治」と云う幻想に気付くきっかけになってくれれば幸いである。


                         おわり


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<追伸>


桜の花が咲く季節となった。

私は毎年この季節となると、我が国を守るため身命を投げ打って美しく散っていった桜たちに自然と思いを馳せる。


ここにある真実を伝えることは彼らが想い守ろうとした未来の人たちである我々の使命であると思う。


私が書いた『「明治」と云う幻想』はあの九段に眠る英霊にこそ捧げたい。


いつか「真実」と云う桜の花が満開となることを願いつつ・・・。


願以此功徳 普及於一切 

我等与衆生 皆共成仏道


合掌








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