アメリカの知人が乳癌に罹ったと聞いて、先方も私の癌を知っていた(銀爺がペラペラしゃべりやがった!)ので、同じ癌サバイバーなら良いだろうと思ってお見舞い&近況報告をした。
彼女の場合、健診のマンモグラフィーで怪しい箇所が見つかり、半年後に再検査して癌化していたので部分切除、リンパ節郭清、抗がん剤を終えて、これから放射線治療だと言っていた。
場所や手術の規模の違い(私の場合は全摘出だったからな)はあれども、お互い健診で見つかったステージⅠだし、手術+抗がん剤+放射線とプロセスは同じだ。
ただ・・・癌に対する捉え方が違った。
私は、癌細胞は健康な人でも毎日数百~数千発生しているもんだから、それが腫瘍化した人は癌細胞を育成しやすい環境(体質)があるんだろう、と捉えている。
腫瘍を取り切ってしまえば完治!・・・なんて、今だって新たな癌細胞が出現しているのに私は思えないんだよな。
だから、「再発した時に治療の選択肢を多くするために体を鍛えてる」旨を告げた。
しかし、その知人は言い切った。
「私は超初期だったからこれで根治だと思うわ」
うん、まあ、ポジティブであるに越したことはないけどな。
でも、癌を育成させてしまった体内環境はそのままなわけで(老化もその要因だから、将来に向けて環境は悪くなる一方なわけで)、根治を信じ切ってしまうと、万一の再発に備えた努力(体力増進、体質改善)の動機付けが無くなる(弱くなる)よな?
その点が引っ掛かっている。
加えて、その知人はよくわからん質問をしてきた。
「放射線の毒素を抜く対応を何かしました?」・・・と。
毒素???
私が受けた日本の標準治療の範囲では聞いたことも無い“毒素”とか言われても・・・。
もしかして、この人は民間療法の方向へ行ってしまうタイプなのかしら?
そういう、信仰に近い方向を選択しそうな人には何を言っても通じないと思ったので、
「いやぁ、私は放射線10回目くらいから下痢がひどくてビオフェルミンとか漢方とかにお世話になったくらいですよ。毒素も何もかも体外に出ちゃったんじゃないですかね?」
と、言っておいた。
この方、看護師の資格を持ってるから、もっとドライで専門的な話が聴けるのかと思っていたのだけど、意外とウェットでしたワ。
癌サバイバー同士の会話の成立って意外と難しいのかもしれないね。
まっ、それぞれ症状の出方やメンタルの強弱、方向性が違うからな。