前から感じていたことだけど、最近、また立て続けに遭遇したので、書き留めておこうと思う。
【ケース1:行きつけのチェーン・レストランにて】
日本未上陸のチェーン・レストランだと思うが、我が家ではここのバナナ・ナッツマフィン6個(buy 3 get 3 free)を買いがてら定期的にブランチを食べに行く。
NY田舎のレストランはコロナの影響でまだ客席50%稼働で営業している。
テーブル1つ置きに座らせるスタイルで・・・。
当然のことながら、スタッフの人数も減らすわけで、先日は10テーブルくらい埋まっているのに、フロアスタッフが1人(女性)しかいなくて、見るからにバタバタ、アタフタ、カリカリやっていた。
我が家は常連客化しているから、そのスタッフも気を許しているのかもしれないが、雑な接客に加えて、人手不足のグチをこぼされたりする。
私も学生時代にウエイトレスのバイトはやったことがあるから、客の入りに波があって、とんでもなく忙しい思いをする経験は何度もした。
その気持ち、わかる。
だけどな、それはレストラン側の経営上の問題であって、利用客には何ら関係の無い話なんだ。
そこをわきまえずフレンドリーの延長でグチられると、
「今、忙しそうだから、言わない方がいいね」
と、些細な追加注文を躊躇ったり、
「今日もまた忙しそうだったら、マフィンだけ買って帰るか・・・」
と、入店に慎重になったり、客の方が気を遣う羽目になったりするんだ。
【ケース2:かかりつけ歯科医院にて】
下の歯列の歯茎を縫われて2週間、チェックのために歯医者に行ったのだけど、担当医(女医)はチラッと歯を覗いただけで、
「はい、よし。次は3ケ月後ね」
で終わった。
チェックの度にこんな感じ。
ミラーを当てて1本1本チェックするわけでもなく、何の器具も使わず目視だけ・・・。
まくしたてるように早口でしゃべり、疾風の如く立ち去る・・・。
銀爺が言うには、
「あのお医者さん、14軒も歯科医院掛け持ちしてるんだって。ニュージャージーまで行ってるらしいよ」
と、知らぬ間に情報を得ていた(サスガ我が家の諜報員ダ!)。
こちらの歯医者はオーナーが居て歯医者を集めて経営している。
大家と店子の関係みたいなんだ。
カーディーラー、弁護士事務所、不動産会社なんかもそんな感じで、日本だったらホステス業のシステムが似ていると思う。
まあ、差し詰め、担当女医は売れっ子芸者の如く14軒の御座敷・・もとい、歯科医院を飛び回っているってことなんだろう。
そんな事実を知ってしまうと、
「私は売れっ子で忙しいから、アンタ1人にかまってられない」
と、言われているみたいで、患者にわざわざ話すべき情報でもないよなぁ、と、思ってしまう。
同じ売れっ子でもお客に忙しさを見せない、売れっ子芸者の爪の垢でも煎じて飲んだ方がいいんじゃないか?・・・とも思う。
この2つのケースから改めて気づくのは、
個人主義だと、「自分と他者」の区分になり、同僚だろうが、客だろうがひっくるめて他者になる。
だから、「私は今、こんなに大変なの!わかって!!」って、思いを客にまでぶちまけるから、「コイツは子供か?」と、唖然となる。
日本のような集団主義だと、「内と外(共有者と部外者)」の感覚になるから、内の問題や事情を外には見せないようにする気働きが利く。
日本人は子供の頃から色々な集団で学んできているから、いい大人でそれができないと、アレな人間に見えてしまうんだよな。
前世は日本人だったんじゃないか?
ってくらい、人のために尽くす銀爺は、そのへん、私と共感できるんだけど、
銀爺曰く、
「客の方も個人主義だから、ウエイトレスが忙しそうだろうが、関係なく我を通す人も居るもんだよ」
だそうだ。
まあ、勝手にやってくれ!・・・という感じだな。